Webデザインの授業で必ず行う「デザインとはなにか?」「アートとの違いとは?」
代表の松本が職業訓練校でウェブデザインについての授業を行うことがよくあります。その際、一番最初に伝える内容の一つに「デザインとアートの違い」があります。
デザインとアートの違い
「デザインとはなにか」を考えてもらうために、講義ではデザインとアートの違いを最初に話します。まず必要な認識は、「我々が行うのはデザインであって、アートではない」という事です。ウェブであれ紙であれ、我々が行うデザインは商業デザインであり、仕事です。顧客のニーズに沿ったものをデザインする必要があります。
ではデザインとアートの明確な違いはなんでしょうか?授業では下記のように説明しています。
- デザイン…狙いがあるもの
- アート…感情・思考の発露
アートは作者の感情などを落とし込んで作られますが、デザインは「売上を上げたい」などの依頼に沿って、明確な狙いを持ち作られるものです。
また、良いアートと呼ばれるものはたくさんありますが、それが必ずしも良いデザインではありません。例えばモナリザやゴッホのひまわりをチラシに載せても、売上はあがりません。これは、たとえ良いアートでも企業の目的からかけ離れているため、良いデザインとは言えない例です。
以上、デザインとアートはまったく違うものであり、デザインには達成すべき目的・狙いがあります。
商業デザインの失敗例
次に、授業ではデザインの失敗例を紹介します。
使わせていただいているのがローソンのプライベートブランドです。現在は変更になりましたが、過去のデザインはパッと見で商品の区別がつきにくいものでした。4種類の紙パック入りのお茶が売られていましたが、どれが何茶なのか分かりにくく、顧客からするとパッと手に取る事ができません。他の商品も同じようなデザインで不評を買い、変更となりました。
ではこのデザインは何が失敗だったのでしょうか?デザインを請け負った会社は、「生活の邪魔にならないデザイン」として作りました。確かに、シンプルなデザインは生活感を強く感じさせないため、狙い通りのデザインだと思います。ただ、顧客はそれを求めていない事を、ローソン側が把握していなかったため失敗に終わったデザインとなりました。コンビニはあまり長居する事がないため、パッと見て何の商品か分かりやすいものが求められていた訳です。
参考:ネットで物議のローソンPBデザイン nendo佐藤氏に真意を聞いた:日経クロストレンド
セブンイレブンのコーヒーマシンも、スタイリッシュなデザインにしたい企業側と、分かりやすいものを求める顧客側とで齟齬が起き、結果機械の改良がされました。
参考:デザインの敗北を笑うな。「セブンカフェのマシン」と「ふれあい灯」を今、学生と考える|大塚たくま / 株式会社なかみ
このように企業の目的通りの良いデザインを作っても、顧客の求める目的に合致していないと、失敗になる事もあります。
ですがデザインを行う上で、1発で成功はなかなかありません。ローソンやセブンイレブンの件も、現在は改善されています。1度デザインして終わりではなく、細かなリニューアルを重ねて、顧客とのコミュニケーションの齟齬をなくしていく事が、デザインでは重要になります。
Webマーケティングをデザインする
弊社では「Webマーケティングをデザインする」と語っています。Webマーケティングでもデザイン(狙い)を定める事が重要です。
例えば、「認知を広めたい」のか「商品の良さを知ってほしい」のか「購入してほしい」のか。この3つの狙いによって、施策がまったく異なります。ですので、顧客はどういう目的なのかをきちんと把握し、明確にデザインするか否かで、Webマーケティングの成果は大きく変わってきます。
Webマーケティングはデザインすることから始まると言っても、過言ではありません。