ECサイトはプロダクトアウトではなくマーケットインの考え方を
年度が変わって法律も新しくなります。事業者は新しい法律にも適用していかないといけないので、注意が必要ですね。
個人情報保護法・特定商取引法の改正
個人情報保護法が改正されます。個人情報の入ったリストを販売してはいけない、というルールになるようです。今後、昔のようにリストを使って訪問営業をする、ということが難しくなります。
おそらく抜け穴的なものもあるのでしょうが、それでも今後は営業方法というのは変わらざるを得ないのでしょうね。ウェブマーケティング業界には追い風なのかもしれません。
また、特定商取引法も変更になります。おそらくECサイトの運営をしている方々よりも、カートシステムの方に関係するのではないかと思います。大まかに言えば、購入の最終画面にきっちり情報を出しましょうということになります。配達予定日や価格、購入するものなどです。まぁほとんどのECカートシステムはすでに対応しているような気がします。
ただ、今までになかったかもしれないところで言えば、キャンセルに関する情報も掲載しなければならず、加えて季節性の商品等は申込期限も明記が必要になりました。おそらくカートシステムが対応すると思うので、それに合わせて内容を記載していく、ということが必要になりそうです。
ecサイトとマーケティング的思考について
ECサイトでよくある失敗について、マーケティング的な思考で考えてみたいと思います。「プロダクトアウト」と「マーケットイン」という言葉をご存知でしょうか?プロダクトアウトは商品から考える、マーケットインは市場から考える、という考え方です。
「いいものであれば必ず売れる」という考えは日本の製造業でも多くあります。これがいわゆるプロダクトアウトの考え方です。現実ではいいものだから必ず売れる、ということはありません。悪いものが売れることも多々あります。
プロダクトアウトの考え方であれば、商品の良さをアピールすることになりますが、それは本当に顧客が望んでいる情報なのでしょうか?本当に必要な情報というのは個々人で全く違います。お客さんが望んでいる情報を伝えること、アピールしなければ購入はしてもらえません。
「じゃあどういう情報をお客さんが欲しがっているのか、それを聞けばいいの?」と考えてしまうところですが、なかなかそういうことは聞けるものではありません。ですが、ECサイトには口コミがあります。この口コミこそ、お客さんが欲している情報が眠っているのです。
例えば食品関係でしたら味について、調理方法や個包装がいいとかパーティーで使えるとか…、様々な部分で魅力を感じたことを口コミで書いてくれています。そしてその魅力は自分たちEC事業者が考えていなかったことが多いのではないでしょうか。この口コミからニーズを拾い上げて、LPや商品詳細ページにアピールしていくことで、買ってくれる人が増えるというわけです。
顧客はEC事業者の押し付けがましい情報がほしいわけではありません。自分が欲しいと思ったものがほしいだけです。それは商品も、情報もです。売り手のこだわりが必ずしも知りたい情報ではないのです。
これがマーケットイン的な考え方です。このマーケットインの考え方を口コミを使って実践していけば、売れるECサイトになるでしょう。ECサイトの失敗パターンではやはりプロダクトアウト的な考え方が多い気がします。ぜひマーケットインの考え方でやっていただければ、勝機が見いだせるではないでしょうか。