ウェブ業界を目指すならやりたい事を見つけよう
「エンジニアになりたい人が増えている」という記事を見かけました。人が増えればそれだけウェブ業界が活性化しますから、とても良い事だと思いました。ですが、「エンジニアになりたい」「ウェブデザイナーになりたい」という考えは、我々の若い頃とはまったく違った考え方です。世代間での考え方の差を知っておいたほうが、業界で活動しやすいと思います。
したい事があってウェブ業界に入った世代
そもそも私達の世代は、「エンジニアになりたい」「ウェブデザイナーになりたい」と思って職に就いた訳ではありません。「○○がしたい」といった目標を達成する為に、ウェブ業界の職に就きました。
例えば私は、「SNSを作りたい」と思い、CMSの勉強をして、その流れでWordPressを知ったりしました。もっと遡ると、高校時代には交流がしたくて、ファンサイトを作ったりもしていました。「○○がしたい」という、明確な目標があるから、「じゃあその為に○○を使う」といった流れでした。何かをしたいからHTMLを学ぶ、CSSを学ぶ、JavaScriptを学ぶ…その流れが当たり前の時代で、しかもそんなピンポイントな事を学べる場所もなく、ほぼすべての人が独学の時代でもありました。
今の40代以降は学校で学ぶのではなく、制作会社に入ってからOJTで学んだ人がほとんどです。最初からウェブ業界に就きたかった訳ではなく、たまたましたい事があってその為にスキルを身につけているのがスタンダードです。スキルも職も、目標実現の為のツールでしかなかった世代がいるということを覚えておいてください。
ウェブ業界に入る事がゴールの世代
我々の世代と今の若者世代とは根本的に考え方が違う部分があります。今の若者は、「ウェブ業界の職に就く事そのもの」が目標になっています。
例えばエンジニアになりたいと言いつつも、エンジニアになってしたい事はなく、やりたい言語もありません。エンジニアになった時点で、目標が達成されているからです。もちろん、
- 給料が良いから
- なんとなくカッコイイから
- スタイリッシュだから
といった理由で、ウェブ業界を目指す事は悪い事ではありません。実際、エンジニアの給与は全職種の平均給与よりも高めですから、魅力的に思うのは当然とも言えます。ですが、こういった「世代間での考え方の違い」がある事を、私達40代以降の世代も、40代以下の世代も、認識しておく必要性はあると思います。
モチベーションの為にやりたい事を見つけよう
では例えば、今からエンジニアになりたい場合、必要なものはなんなのでしょうか?もちろんエンジニアとしてのスキルは当然必要になります。今なら、そのスキルを学ぶ場所も学校やオンラインなど、選択肢がたくさんあります。
ただ、学んでいく中で、ふと「これは何をしているんだろう?」と思う瞬間があります。スキルを学ぶ為の勉強をしていると、「このスキルは何の役に立つのか?」と思う事はよくある事です。こうした疑問が出てくる原因は「とりあえず覚えてください」と言うような目的がはっきりしない状態で学んでいる為、モチベーションが保てない事にあります。そしてこの解消法は、「やりたい事を見つけて学ぶ」以外にはありません。
今の世代がウェブ業界を目指す際は、「ダメだったら事務に行く・営業に行く」という風に平行的なキャリアを考えている人がほとんどかと思います。絶対にエンジニアになる、なれなかったら人生は終わり、と思って目指している人はほぼいません。もちろん、40代以降の世代が「エンジニアになれなかったら人生終了」と思って目指していた訳ではありませんが、明確な目標があって目指してきた分、モチベーションの差がどうしても表れてしまいます。
今からウェブ業界を目指す人は「やりたい事を見つける事」がまず大事です。考えても見つからない場合は、スキルを身につけてもモチベーションが保てないので、諦めて他の職に就く方が良いかもしれません。