ファクトフルネスから考える、マーケティングの思い込み

東京財団が取ったアンケートが興味深いものでした。日本の財政赤字に関して原因を聞いたもので、多くの一般国民が「政治家の無駄遣い」を上げました(71.5%)。実際の数字を見ると、社会保障費が最も大きいのですが、思い込みというのがあるようです(参照:https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4263)。

一般のアンケートならまだ良いのですが、ビジネスにおいては思い込みなどは排除して考えなければ、結論を間違えてしまいかねません。

ファクトフルネス、思い込み

実際にデータを見れば、日本政府がどのようなものにお金を使っているかはわかります。実際のデータでは社会保障費が年間約137兆円と、一般会計予算を超える金額の規模になっています。つまり最も多い出費が社会保障費なのです。

しかし、社会保障費が大きすぎることをどれだけの人がご存知でしょうか?ニュースではほとんど流れませんし、取り上げられることはありません。逆に、討論番組や政治・経済系バラエティーでは政治家個人の話や政党に関する話など「政局」を取り扱うものがほとんどです。「朝まで生テレビ」などの討論番組でも、社会保障費が大きすぎることがメインの題材になることはほぼありませんでした。

それほど多くの国民にとって、データを見なければ、間違ってしまう思い込みがあるのです。

思い込みを払拭する3つの方法

では思い込みを払拭するにはどのようにすればよいのでしょうか?大きく下記の3つが考えられます。

  • 必ずデータを見る
  • グラフの場合は疑う
  • 自分の仮説・考えも疑う

1つ目が必ずデータを見ることです。データを見ることで、正しい数字を見ることができます。ただし、データを見るときにも1つのデータだけでなく、複数のデータを用いてみることをおすすめします。誰かが持ってきたデータをいつも見ているのだと、データが古い・データが間違っている・持論に誘導しようとしているなどの可能性があります。

必ず元データにあたり、かつ複数のデータを見るようにするのばよいでしょう。

2つ目はグラフの場合は疑うことです。表で書かれている数字であれば、問題ありませんが、グラフの場合は注意が必要です。グラフは見やすく・わかりやすくするツールですが、ミスリードを狙うような人もいます。本来少ない差を大きく見せるようにズームアップするなど、作った人が誤解を誘おうとする場合があるので注意しましょう。

3つ目が自分も疑うことです。自分自身の考えが思い込みではない、とは限りません。思い込みや仮説が間違っていることもあります。その場合は「裏を取る」事が重要です。自分自身が「無知の知である」という前提にたって置くのも重要でしょう。

マーケティングでの思い込みは要注意

ビジネスにおいても思い込みは失敗のもとになります。例えば下記のような思い込みをしていませんか?

  • LP+リスティング広告が最適な方法である
  • 展示会に出展するのは当たり前で効果的
  • きれいなデザインのチラシが最も反響がある
  • みんながSNSで儲かるって言っているから、儲かる

このようなことも必ず疑ってかかるのが良いでしょう。LP+リスティング広告も今や最適とは言えない場合もあります。本当に効果的なのかどうか、それはデータを取って確認する必要があります。マーケティング戦略は必ず根拠を持って決める事が重要です。

まとめ

  1. 東京財団のアンケートから見る日本国民の思い込み
  2. ファクトフルネスという思い込みを払拭するには
  3. マーケティングでは必ず根拠を持つ

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

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