インバウンドの増加は日本を潤しているのか?統計で見てみる

今や1000万人を超える人が日本にやってきていると言われている「インバウンド需要」ですが、東京などの都市部では「外国人が多いなぁ」と感じることも多いでしょう。日本は更にインバウンドを推進していく予定のようですが、インバウンドの旅行者が増えることは、日本に取ってプラスになるのでしょうか?

観光庁の宿泊旅行統計調査を見てみる

観光庁には「宿泊旅行統計調査(https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/shukuhakutokei.html)」というのがあります。どのくらいの外国人が宿泊しているか、都道府県ごとに統計を出してくれています。インバウンドで日本に来ている外国人はどういうところに宿泊しているのでしょうか?下記、TOP10を抽出したものになります。

都道府県延べ宿泊数割合
東京都5,674,97032.83%
大阪府2,476,15014.32%
京都府2,144,43012.40%
沖縄県748,1704.33%
福岡県738,6504.27%
北海道600,9303.48%
神奈川県539,5103.12%
愛知県521,6103.02%
千葉県491,1102.84%
山梨県316,9901.83%

宿泊者の割合を見ると、東京都・大阪府・京都府の3つで約7割を締めています。東京都が圧倒的に多く、インバウンド旅行客の3人に1人が東京都に宿泊しています。上位3つの地域は明らかにインバウンド旅行客が増えたことによって、経済的に潤っていると考えられます。近年、アパホテルなどのビジネスホテルでも、東京や大阪での宿泊費が非常に上がっているのもうなづけます。

日本人はどのくらい宿泊しているのか

では、日本人はどのくらい宿泊をしているのでしょうか?こちらも数字が出ているので見てみます。

都道府県延べ宿泊数割合
東京都3,642,32010.19%
大阪府2,516,9907.04%
北海道1,971,2705.51%
神奈川県1,965,9305.50%
千葉県1,838,9605.14%
沖縄県1,827,6605.11%
静岡県1,480,9704.14%
愛知県1,452,7604.06%
福岡県1,303,4603.65%
兵庫県1,091,0803.05%

日本人も東京・大阪が多くなっています。これは東京・大阪の出張宿泊が含まれているためです。ですので、観光だけではないのは注意が必要ですが、日本人も外国人同様に旅行には行っています。•合計延べ宿泊数は2025年4月が35,757,270、インバウンドが17,287,970なので、日本人の方が2倍多いのです。外国人はお金を持っていて、日本人は貧乏なので旅行に行けない、ということはないようです。

インバウンドには格差がある

「インバウンドで日本の観光業は潤っている」とよく言われます。たしかにウソではないですが、そこには格差があります。地域ごとに非常に違いがあり、東京・大阪・京都の観光業には大きく貢献しているでしょう。しかし日本の地方などにはそこまでインバウンドの恩恵はないと考えてよいでしょう。

マーケターとしては統計や一次情報に当たるのが重要です。たとえニュースで報道されていたり、有名人が話していたとしても、細かい情報を見てみると、一言では言えない事が多くあるのです。マーケターとしては数字にきっちりあたる、これが重要です。ぜひ統計情報などに当たってみてほしいと思います。

まとめ

  1. 観光庁の「宿泊旅行統計調査」を見てみる
  2. インバウンドの利益には地域格差がある
  3. マーケターならきっちり数字に当たってみるのが大事

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

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