コンビニ客数減の真実。「小型スーパーの台頭」と「人手不足」から読み解く2026年の経営課題
私たちの生活インフラとして欠かせない存在であるコンビニエンスストア。右肩上がりの成長を続けているように見えますが、実は足元で「来店客数の減少」という大きな変化が起きています。
日本フランチャイズチェーン協会のデータによると、コンビニの既存店ベースの客数は6ヶ月連続で減少、前年同月比でマイナス1%超えという、母数を考えれば決して無視できない数字が出ています。売上自体はインフレによる客単価上昇で微増していますが、「客が減り、単価でカバーしている」のが実態です。
なぜ今、コンビニから客足が遠のいているのでしょうか。そして、この現象はコンビニ業界だけの問題なのでしょうか。
今回は、日経新聞などの報道や最新の事例をもとに、コンビニ客離れの背景にある「競合環境の変化」と「構造的な人手不足」について見ていきましょう。これらは、今後の日本市場でビジネスを展開するすべての経営者が直視すべき課題です。
日経新聞も報じた「客離れ」と小型スーパーの脅威
2025年10月、日経新聞に「コンビニの客離れ」に関する社説が掲載されました。ここで大きな要因として挙げられているのが、イオングループなどが展開する「まいばすけっと」に代表される、都市型小型スーパーの台頭です。
(参考:[社説]コンビニは客離れ防ぐ創意を - 日本経済新聞)
これまで、都市部や住宅街の夜間の買い物需要は、ほぼコンビニ一択でした。しかし、小型スーパーがドミナント出店を進めたことで状況は一変しました。小型スーパーはコンビニに近い利便性を持ちながら、価格競争力で圧倒しています。
昨今のインフレにより、コンビニのお弁当は600円〜700円、おにぎりも1個100円台後半が当たり前になりました。一方で、イオングループの調達力を活かした小型スーパーでは、おにぎりや惣菜がコンビニよりも遥かに安価に提供されています。消費者の財布の紐が固くなる中、この価格差が顧客流出の直接的な原因となっているのです。
「CoCo壱番屋」に見る、外食産業全体の苦境
この傾向は小売業に留まりません。カレーハウス「CoCo壱番屋」の業績を見ると、既存店客数は14ヶ月連続で前年割れを起こしています。1年以上も客数が減り続けているというのは、単なる一時的な不調ではなく、構造的な変化が起きていると見るべきでしょう。
ココイチの場合も、売上高自体は横ばい、あるいは微増を維持しています。これは値上げによって客単価が上昇し、客数減を補っているためです。しかし、客数が減り続ける中での単価アップ戦略には限界があります。このまま客足が戻るきっかけがなければ、いずれジリ貧になるリスクを抱えています。
(参考:カレーの「CoCo壱番屋」、業績は堅調だが「既存店客数」14カ月連続の前年同期割れで忍び寄る不安 | ニュース・リポート | 東洋経済オンライン)
「人手不足」が招く機会損失とコスト増のスパイラル
客数減少のもう一つの、そしてより深刻な原因が「人手不足」です。
労働人口の減少に伴い、24時間営業を維持できない店舗が増えています。コロナ禍を経て深夜営業を止めた店舗も多く、営業時間の短縮はそのまま機会損失につながります。さらに、スーパーなども年末年始の休業を増やすなど、供給側の制約が強まっています。
経営視点で見ると、人手不足は以下の3つの悪影響を及ぼします。
1つ目は採用コストの高騰です。人を集めるために高い広告費や紹介料が必要となり、利益を圧迫します。 2つ目は人件費の上昇です。最低賃金の継続的な引き上げに加え、人材確保のために時給を上げざるを得ません。 3つ目は労働規制への対応です。労働法の改正や残業規制の強化により、柔軟なシフト組みが難しくなっています。
結果として、人を雇っても十分な稼働を確保できず、サービスレベルや営業時間を縮小せざるを得ません。これが客足が遠のく遠因となり、さらに収益性が悪化するという負のスパイラルに陥っている企業が増えていると考えられます。
今後の展望と経営者に求められる視点
今後、これらの状況が劇的に改善する可能性は低いと言わざるを得ません。人口減少は確定した未来であり、AIや無人店舗の技術が普及するにはまだ時間がかかります。
現状、日本の小売・サービス業を下支えしているのは「インバウンド需要」と「インフレ」です。しかし、もし円高に振れてインバウンドが減少したり、消費者の節約志向がさらに強まったりした場合、客数減のダメージが表面化するでしょう。
「客数は減るもの」という前提に立った時、経営には何ができるでしょうか。 単なる値上げで凌ぐのではなく、減少するパイの中でいかに自社の価値を選んでもらうか…。あるいは、人手に頼らないビジネスモデルへどう転換していくか…。コンビニ業界の苦戦は、2026年以降の日本企業が直面する課題を浮き彫りにしています。
まとめ
- コンビニの来店客数は前年割れが続いており、客単価上昇で売上を維持している状態である
- 要因の一つは「まいばすけっと」等の小型スーパーの台頭による、価格競争での敗北
- 外食の「CoCo壱番屋」も14ヶ月連続客数減となっており、業界を超えたトレンドである
- 根本には深刻な人手不足があり、採用難・コスト増・営業時間短縮が経営を圧迫している
- インバウンド頼みや単なる値上げではない、人口減少時代に適応したマーケティング戦略が必要不可欠である
株式会社キヨスルでは、こうした市場環境の変化を見据えたWEBマーケティングの支援を行っております。現状の集客に課題をお持ちの経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。
投稿者プロフィール

- 代表取締役
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兵庫県伊丹市出身
2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。
2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。
短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。
現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。
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