「知名度がないから売れない」は勘違い?経営者が知るべきデジタル広告の正しい「投資の順番」

「うちの商品は質が良いのに、まだ世間に知られていないだけだ。まずはSNSやYouTube広告を出して、認知拡大(ブランディング)から始めよう」

もし今、貴社のマーケティング会議でこのような方針が出ているなら、一旦ストップをかけてください。大企業であれば正攻法ですが、資金(経営資源)に限りのある中小企業がこれをやると、あっという間に資金がショートしてしまいます。

実は、Web広告の投資には「絶対に守らなければならない順番」が存在します。 利益を最速で生み出し、事業を安定させるためには、「フワッとした認知拡大」に予算を投じる前に、やるべき確実なステップがあるのです。

本記事では、多くの企業が陥る「知名度信仰の罠」を解き明かし、経営者が知っておくべきデジタル広告の正しい「投資の順番」を解説します。

まず顧客に近いユーザーから狙う

原則として、まずは顧客に近いユーザーから狙う施策が効果的です。すでに購入や行動をしようと決めているユーザーを狙うのです。例えば北海道旅行に行くことを決めているユーザーに対し「この海鮮丼のあるホテルがオススメです!」と広告を出すのです。デジタル広告であれば、リマーケティング広告やリスティング広告(検索連動型広告)なら可能です。「北海道旅行 海鮮丼」などのキーワードで調べるユーザーを狙います。

顧客に近い顕在客が少なくなったら、次に顧客に近い準顕在客を狙います。例えば旅行に行こうとしているけれども、いろいろな場所で迷っているユーザーです。そのユーザーに「おすすめ 旅行先」など調べている場合に北海道旅行をおすすめしてあげるのです。検索連動型広告も有効ですが、SNS広告やSEO対策で比較記事やよりよく知ってもらうための情報を提供するとよいでしょう。

最後が潜在客です。まだ旅行をするかどうかも決めていないユーザーで、ここにお金をたくさんかけても回収できるかどうかわかりません。ただ、旅行したい!となったときに知っている旅行先やホテル、観光地ならより選んでもらいやすくなるでしょう。YouTube広告やSNS広告などがおすすめです。

顕在客から狙うのは「現金化するのが早いから」

なぜ顕在層(今すぐ客)から刈り取るべきなのでしょうか?それは一番早く現金(キャッシュフロー)として回収できるからです。

顕在客はすでに商品やサービスだけでなく、企業のこともある程度理解してくれています。さらに「いいな」「欲しいな」という様に購入する意欲も高まっています。こういった顕在客ユーザーを狙うと、購入してもらえる確率が上がり、売り上げが早く立つわけです。

体力のある大企業は数年後の売り上げのために、ブランディングすることができます。何億円のお金をつぎ込むだけの体力もあるでしょう。しかし、中小企業は『今月の広告費を来月の利益に変える』必要があります。出なければたちまち資金繰りに窮してしまうでしょう。

だからこそ、顕在客から狙わないといけないのです。

テレビで一気に目立つのが最高の施策?

とはいえ、なかなかこの順番というのが理解しにくい人も多いかと思います。「テレビが一番なんだから、テレビで一気に目立てば、売上上がるんじゃないの?」そう考える人もいるでしょう。

確かに感覚的にそのほうが良さそうな気がしますが、実はそうでもないのです。テレビに取り上げられても、それが売上に必ずしもつながるとは言えないのです。株式会社PRIZMAがテレビ出演後に関するアンケートを取っているのですが、約3社に1社が「新規顧客の獲得につながった」と答えています。

参考:8割の企業がテレビ出演後、売上・問い合わせ数が増加!テレビに取り上げられる経緯として最も多い手段は? | 株式会社PRIZMAのプレスリリース

思ったよりも新規顧客の獲得につながっていないのです。テレビに取り上げられることはすごいことですが、とりあえずテレビに出たらそれだけで成功する、なんて言うことは今の時代なくなっているわけです。

これがデジタル広告を利用する順番だ

顕在客⇒準顕在客⇒潜在客の順番に狙うということですが、実際に行う施策の順番は下記の通りです。

デジタル広告を利用する順番

  1. リスティング広告・リマーケティング広告
    • すでにニーズのあるユーザーの購入や問い合わせ等「行動」を狙う
  2. SNS広告・SEO対策
    • 会社・商品を知っているユーザーの購入候補に入れるようにする(比較検討)
  3. YouTube広告・ディスプレイ広告
    • 会社・商品を知ってもらう・興味を持ってもらう

上記の方法が最も「コスパ・タイパが良い」施策なのです。多くの企業に当てはまる順番ですが、実際に行う際には小規模な広告配信から始める、テストマーケティングすることをおすすめします。

まとめ

  1. デジタル広告はより顧客に近いユーザーから
  2. テレビに取り上げられても売上につながるのは3割
  3. 検索広告⇒SNS広告⇒YouTube広告の順番で

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。
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