ブラックフライデーは日本人にとって「買う理由」になるイベント
ブラックフライデー、買い物しましたか?アメリカの感謝祭の習慣に由来するブラックフライデーですが、日本国内でも急速に広まっています。ブラックフライデーが広まった理由はなんでしょうか?
ブラックフライデーの日本での広がり
ブラックフライデーは、アメリカで感謝祭から年末までの大型商戦の初日にあたる日とされています。「店が黒字になる」ことから名付けられました。
(参考:ブラックフライデー (買い物) - Wikipedia)
日本では2014年にトイザらスが実施したのが始まりとされています。その後イオンが大規模に導入したことで一気に認知が拡大しました。イオンが食品や日用品を含む幅広い商品を対象にしたセールを実施した結果、老若男女問わず多くの人に認知されるイベントとなりました。
(参考:【ブラックフライデー】名前の由来は? 関空→那覇が2990円~!航空会社や旅行会社もセール 海外発の”新たな商戦”がさらに到来する可能性も!? | 特集 | MBSニュース)
現在、日本でのブラックフライデーの認知率は85.8%に達しており、約4割の人が実際に買い物をした経験があります。これは、ハロウィンやクリスマスに匹敵するほどの国民的なイベントになりつつあると言えます。
(参考:ブラックフライデーに関する調査(2025年) | リサーチ・市場調査ならクロス・マーケティング)
11月にはイベントが無かったという背景
ブラックフライデーが日本で急速に広まった理由の一つとして、11月がクリスマスやゴールデンウィークといった大きな消費イベントがない月だった、と言われています。セールのない空白の月に「ブラックフライデー」というが入ってきて、広まったのは当然と言えるかもしれません。
日本人のイベント好きと「買う理由」
日本には古くから「ハレの日(非日常)」と「ケの日(日常)」という概念があり、節句やお盆、正月といったハレの日に特別な買い物や飲食をする習慣がありました。これは、日常の中に非日常を「買う理由」「消費する理由」にしてきたとも言えます。
現代の商業においても、このイベントを理由にした販売促進が見受けられます。
- 昔ながらのイベントの活用:土用の丑の日にウナギを食べる習慣や、初物(旬の食べ物の最初)を食べると寿命が延びるとされた慣習は江戸時代からあります。季節や時期に「理由」をつけて行動を促す事例です。
- イベントの拡張:最近では、バレンタインデーを「好きな人へのチョコレート」だけでなく、「友達へのチョコ」や「自分へのご褒美チョコ(自分チョコ)」といった形で、買う対象や理由を拡張することで市場を拡大しています。
また、今では当たり前になっていますがECサイトや小売業者は、正月セール、節分の恵方巻、母の日、クリスマスといったイベントに合わせて販促を行います。「販促カレンダー」というのがあり、活用されています。
ブラックフライデーは、単なる安売りではなく、「ブラックフライデーだから買おう」「ブラックフライデーだから見に行こう」という行動の理由付けを与えることで、全国的なイベントとして定着しました。
B2C企業にとっては、こうしたイベントに便乗してセールを実施したり、特定のイベントを絡めた商品を販売したりすることが、顧客に「買う理由」を提供し、売上を伸ばすための重要なヒントになります。
投稿者プロフィール

- 代表取締役
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兵庫県伊丹市出身
2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。
2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。
短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。
現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

