広告運用は片手間でできる仕事ではない!成果を出すために必要な専門知識と運用の実態

ウェブ業界では、ウェブサイト制作やSNS運用と兼任で、広告運用を行っているケースがよく見られます。ただ、現代のデジタル広告の状況では、そのような運用方法では成果を出すことが非常に難しくなっています。つまり「専門的」になってきているのです。

特に、広告の効率が上がらず失敗してしまう運用には、いくつかの共通点があります。Web広告運用での成功・失敗と、現状の運用について、ご説明します。

ウェブ広告運用が失敗する共通点

株式会社キヨスルが行ってきたWeb広告の運用に関して振り返って見てみます。ウェブ広告運用が成功しやすいのは、主にECサイトやオンラインでの申し込み受付(バーベキューレンタルなど)といったB2C(消費者向け)の商材を扱っている場合が多いようです。これらは広告からのコンバージョンが比較的明確で、成果が出やすい傾向にあります。

一方で、B2B(企業向け)の商材では、運用がうまくいかないケースが多く見受けられました。B2Bマーケティングは、広告でリード(見込み客)を獲得した後の全体設計が重要なのです。しかし、失敗例では、リード獲得後にメールを送るだけで、インサイドセールス部隊の不在、及びステップメール、メールマガジンなどの設計ができていないことが多くみられました。このような場合、広告効果が限定的になってしまいます。

「片手間運用」では成果が出ない理由

広告運用がうまくいかないアカウントに見られた共通点として「最低限の運用」しか行われていないパターンが多く見られます。これは知識不足やサボりと言えるかもしれませんが、これでは広告の持つポテンシャルを最大限発揮できません。

  1. 広告クリエイティブの設定不足
    • 検索広告において、見出しを3つだけ、詳細文を1つか2つだけといった最低限の文章しか設定していない場合が多く見られました。これでは広告の表示面積が確保できず、クリック率や効率が著しく悪くなります。レスポンシブ広告では、見出し15個、詳細文4つ、きっちりと考える必要があります。
  2. アセットの未接続
    • 住所、電話番号、サイトリンクなどの各種アセット(広告表示オプション)を接続していない場合も、効率が落ちます。成果を上げるには必要なアセットは設定しましょう。
  3. 除外キーワードの未設定
    • 現代は広告の機械学習が進んでいるため、キーワード自体は少なくても構いません。ですが、除外キーワードの設定をしていないと、無駄なクリックが発生し、効率が大幅に悪くなります。除外キーワードを入れることは運用の基本です。
  4. 最新情報への知識不足
    • Googleが推奨するP-MAX広告は最新の広告です。しかし、P-MAX単独ではなく、検索広告とデマンドジェネレーションを組み合わせたPower Packが効果的と言われています。最新の情報にブラッシュアップしておくことも重要です。

適切な設定なしに機械学習は働いてくれません。成果を出すには初期設定をサボらずきっちり行うことが非常に重要です。

デジタル広告運用は今や高度な専門職です

かつての広告運用は、キーワードとシンプルな広告文を設定するだけで済む時代もありました。しかし、現在の広告運用は非常に複雑化しており、ウェブサイト制作やSNS運用といった他のウェブ業務の「ついで」にできるものではなくなりました。レポートもLooker studioなどを使いこなす必要があります。

広告運用には、これらの設定や最新の知識、そして継続的な改善を実行する専門的な能力が必要です。プログラムが書ける人と、広告運用ができる人が異なるように、それぞれを専門家に任せたほうが良い成果につながるでしょう。

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

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