顧客を刈り取って終わりではなくリードナーチャリングで次を育てる
ウェブマーケティングでありがちな刈り取り型施策の失敗といえば、続けているうちに効果が落ちてしまうという失敗です。その場合、次に行うべき施策はリードナーチャリングです。
刈り取り型の施策は偶然が合致しないと効果がない
デジタル広告全般に言える話ですが、広告を出したいと依頼される企業の方々は「注文を増やしたい」といった、売り上げに直接関わるものを「短期間で」求めている場合がほとんどです。意味もなく広告を出したい人はいませんので当たり前と言えば当たり前です。ただ、これができるかできないかで言うと、できなくはないです。例えばリスティング広告に費用を多くかけたり、企業にDMを送ったりする事で、業種によっては1週間で新規受注を獲得する事が可能なのがウェブマーケティングです。
ただ、こういった刈り取り型の施策を取っていると受注は必ず減ります、99.9%減ります。
ではなぜ刈り取り型は必ず効果が逓減してしまうのでしょうか?それはリスティング広告やDMでも、それを受け取った瞬間にニーズがあり、お金があり、やる気がある人でないと顧客にならないからです。時間・お金・担当者・そして丁度やりたいと思っていたという偶然が、すべて合致しないといきなりの受注には繋がらないのです。
それにもかかわらず、多くの企業が刈り取り型の施策を続けてしまうのはなぜなのでしょうか?
実はこういった偶然の合致による受注は稀にあり、その場合は1件のみではなく数件の注文が入る事が多くあります。そのため「効果があった」と思い、成功体験を身につけ、何度も続けてしまうのです。しかし続けてもどんどん効果が落ちていき、「最初はよかったのに…」という結果になります。こういった失敗はかなり多いです。
そしてこれが「刈り取り型」の由来です。刈り取り型の施策は焼畑農業と同じで、刈り取ってしまうと次はありません。なのでどれだけ狙いを変えても「今すぐ客」が減るのは当たり前です。お金をかければいい訳ではなく、刈り取り型の効果が逓減したら、手法を変える事をおすすめします。
認知、比較検討、購入で顧客を育てる
刈り取り型の施策で刈り取り終えた場合、次にやる事は決まっています。それは刈り取れる顧客を増やす事、つまりリードナーチャリングで顧客を育てる事です。
まずは新たな顧客に、「会社・事業・サービス・良さを知ってもらう・認知してもらう」事が第一のステップです。そしてさらに「使いたいと思ってもらう・比較検討の場に乗せてもらう」事が必要になります。「こんな商品があるんだ」と知ってもらい、「試してみようかな」と思ってもらい、「じゃあ他社の商品はどうなんだろう」と比較・検討をしてもらい、購入に繋げます。
リードナーチャリングは様々なモデルがあります。Googleのものが一番分かりやすく、認知、比較検討、購入というモデルがあります。まずは認知、比較検討を増やす事を目標にしましょう。
リードナーチャリングは刈り取り型の施策と何が違うのでしょうか。刈り取り型は一番最後の「購入の部分のみをターゲット」にしているものになります。認知、比較検討を飛ばして、「元々購買意欲がある人のみをターゲット」にしているという事です。ですが実際は、商品やサービスを最初から買う気がある人はなかなかいません。今はどんな商品・サービスも他社と比較する事が当たり前になりましたので、いきなり購入を狙うのは難しい時代になりました。
今の時代から考えても、刈り取り型で上手くいかなかった場合は、このリードナーチャリングが必要という訳です。
そしてこのリードナーチャリングは王道ですが、今まで刈り取り型で上手くいっていた人は、「時間もコストもかかるので嫌だ」と思う人も多いでしょう。リードナーチャリングは時間もコストもかかりますので、これは経営判断です。刈り取り型を続けるのか、刈り取り型からリードナーチャリングに移行するのかは経営者の判断になります。ただ、刈り取り型を続けると必ず効果は逓減して、問い合わせや購入が必ず減っていきます。これはどんなビジネスでも同じですので、同じ手法に費用を次ぎ込む事は避けた方がいいと思います。
投稿者プロフィール

- 代表取締役
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兵庫県伊丹市出身
2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。
2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。
短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。
現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。
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