動画で直接的な売上を狙ってはいけない!認知拡大に絞って使おう
YouTubeを始めとして、InstagramやTikTokなどでも「動画」への注目が集まっています。広告も動画がメインのものが増えてきたようです。ですが実際のところビジネスとしての効果はあるのでしょうか?
直接の売り上げアップ狙いの動画はNG
ビジネスとしての効果というと、売り上げアップや集客アップなどを指します。動画の場合は売り上げでも集客でもなく「リーチ」が指標になります。「どれくらいのユーザーに見てもらえたのか」「何回表示されたのか」この2点を重要な指標として運用します。SNSでの動画だと、この2点にプラスしてクリック数も重要な指標となるでしょう。
では動画では売り上げアップは見込めないのでしょうか?
とある企業のECサイトであまり売れていなかった商品が、突然売れるようになりました。詳細を調べて見ると、YouTuberがその商品の紹介動画を公開していたことが判明しました。動画によって売上が上がったわけですが、これだけを聞くと「動画は売り上げアップになるな」と思うかもしれません。
しかしこの例で重要なのは「YouTuberが商品の紹介動画を公開した」事です。購入者は商品そのものに価値を見出したのではなく、リーチの効果が出たからでもなく、「YouTuberという第三者・好きな人」が良いと言ったから購入したのです。
第三者の口コミが最も効果的
似たような事例に、PayPayの一件があります。PayPayのリリース当初は、交通系ICカードなどでタッチ決済ができる中、「QRコード決済が流行る訳がない」と言われていました。しかしそれを覆したのが、キャッシュバックキャンペーンです。購入額の20%キャッシュバック、全額キャッシュバックというキャンペーンで、瞬く間に広がっていきました。
しかし、PayPayは大々的にキャッシュバックキャンペーンの宣伝をしていた訳ではありません。公式Twitterのフォロワー数が100万人いた訳でもありません。すべて「口コミ」で広がっていったのです。先程の事例と同じように第三者が宣伝して広まりました。これを、ウィンザー効果と言います。基本的に第三者による口コミが一番効果的で、自社でお金をかけて動画を作っても、口コミに勝る効果は見込めません。
動画は間接的な売り上げアップ狙いで作ろう
では自社で動画を作っても意味はないのでしょうか?そんなことはありません。動画で直接的な売り上げアップは見込めませんが、認知を目的にする事は効果があります。
リーチやインプレッションを指標に、どんなユーザーに何回表示されたのかを計測します。すると、認知される事によって、他の場所でその商品の広告を見た時に抱く印象が変わってきます。良い印象を抱きやすくなり、購入やSNSでのシェアにつながる可能性が上がります。このような間接的な売り上げにつなげる事はできますので、動画がビジネスとしてまったく効果がないという訳ではありません。
今後動画はますます流行っていくと思いますが、流行りに乗ってなんとなくではなく、しっかりと狙いを絞って制作する事をお勧めします。