中小・零細企業のプロモーションに関する実態

Webマーケティングを実行する上で、大企業と中小・零細企業では、やる事もできる事もまったく異なります。日本では中小・零細企業が全体の9割以上と言われています。中小・零細企業がWebマーケティングの効果を高めるためにも、その実態をしっかり把握しておくべきでしょう。

中小・零細企業にできない4つの事

中小・零細企業は大企業と比べて、経営資源が乏しいのが特徴です。経営資源というのはお金だけではありません。従業員・人脈・スキル・ノウハウなどさまざまなものを含めた、ヒト・モノ・カネ・情報の4つです。この4つの経営資源すべてが乏しい・もしくは無い中小・零細企業がほとんどです。その中で事業を行わなければなりません。つまり中小・零細企業は、できる事の幅がかなり狭い、できない事だらけという訳です。

では具体的に、中小・零細企業ができない事を4つ見てみましょう。

1つ目が採用活動です。中小・零細企業では、代表者やその配偶者しか活動できないパターンが多くあります。「人を雇えば良い」と思うかも知れませんが、営業職を1人雇うだけで給与が30~40万円かかります。その他社会保険料や交通費、仕事に必要なパソコン代や諸サービスの料金などもかかるため、給与の1.5~2倍の費用が必要になります。費用面から、簡単には人を雇えない実情があります。

2つ目が営業活動です。これは1つ目と同じように人をたくさん雇えないため、十分な営業まで手が回らない事がよくあります。

3つ目が生産活動です。これも1つ目2つ目と地続きの問題で、代表者1人でやる事がたくさんあるため、生産活動がおろそかになりがちで
す。

4つ目が、広告・販促活動です。営業ができない分広告をとしたいところですが、お金がないと十分な広告を出す事も難しいのが実情です。

中小・零細企業が大企業に勝る部分とは

では中小・零細企業にできる事はないのでしょうか?

前提条件として、企業は経営資源を使って収益を上げ、さらにその収益を投入する「PDCAサイクル」を回す事で事業が成り立ちます。大企業は大きな経営資源を投入し、大きな収益を得て、さらにその収益で大きな再投資を行えます。ですが中小・零細企業は経営資源・収益・再投資のすべてが大企業よりも小さくなります。ですので、大企業と同じ事をしようとすると失敗してしまいます。

ただし、中小・零細企業には大企業より小回りがきくという大きな利点があります。中小・零細企業は大企業よりもPDCAサイクルを早く回すことができるため、この部分は大きい武器になります。

例えば、無料の施策を中心に様々な施策を行うなど、細かなトライアンドエラーを何度も繰り返すのがおすすめです。この時、長期間の契約が必要なものは避けるようにしましょう。契約期間は長くて1〜3ヶ月、1週間や1日でも構いません。とにかくたくさん試して収益が出るものを見つける事が重要になります。

また、良いものを見つけた場合は、そこに経営資源を集中させる事もおすすめです。経営資源が少ないため、あれこれやっていると効果が薄まってしまいます。ですので、成功事例が見つかれば他に使っているものなどは止めて、集中させましょう。

中小・零細企業が気を付ける3つの事

中小・零細企業の実情を話してきましたが、最後にやってはいけない・気を付ける事を3つ紹介します。

1つ目が、1つの施策で一気に成功しようとしない事です。昔と違いSEO対策だけリスティング広告だけなど、1つだけをやっていれば良い・大成功する事はありません。Webマーケティングにエリクサーはありません。1つだけの施策を行い、一発逆転は狙わないようにしましょう。

2つ目が、大企業向けサービスを使わない事です。費用が500万円かかるサービスなど、明らかに大企業向けのサービスはお金がかかるだけで中小・零細企業では上手くいきません。誰に向けたサービスなのかきちんと確認をしてください。ポイントは価格と契約期間です。

3つ目が、販促だけではなく商品そのものの改良も続ける事です。販促だけではなく、キャンペーンやセット商品を作ったりするなどして、商品そのものを見る事も中小・零細企業には重要になります。