ウェブ制作を内製化できなかった日本
ついにIE、インターネットエクスプローラーのサポートが終了しました。今まで時代を牽引してきたブラウザでしたが、Google chromeなどのモダンブラウザの登場によりIEは競争に負け、サポート終了になります。これによって日本はついにIE依存脱却へと重い腰を上げざるを得なくなりますが、小さな自治体などでこれに対応できる資金があるのか、少し心配ですね。
ちなみに私はFirefoxを愛用しています(笑)
ITに疎い人は相手のIT度を判断できない
ここ最近「ウェブマーケティングを社内でやりたい」という声をちらほらと声をかけられます。以前に組織改革をしないといけないといった話をさせていただきましたが、今回はそれとは少し視点を変えて話したいと思います。
そもそもなぜ日本ではウェブ担当が内製化されていないのでしょうか。実は世界で見るとウェブ制作やウェブマーケティングの外注会社というのは少ないんです。なぜならウェブについて自社内で行っている企業がほとんどだからです。
ところが日本ではその真逆でウェブ関係はほとんどが外注です。これには日本と世界での雇用環境の違いが大きいのではないでしょうか。例えばアメリカでは仕事ができない人を簡単にリストラし、新しい人をまた雇用する事ができます。しかし、日本では正社員制度があり、なかなか解雇ができません。となると採用する際に、スキルやノウハウがあるのかを見極めなければいけない事になります。
この見極めが今まではできなかったのではないでしょうか。ITに疎い人にスキル・ノウハウを見極めろというのがそもそも無理な話です。ですので、日本ではウェブ関係は外注というスタイルが主流になったのではないかと考えられます。
内製化の為にはまず外部からIT知識をもらう
では、ウェブに関連する業務を内製化する為にはどうするべきでしょうか。
まず必要なのは「その人が持っているスキルやノウハウは本物なのかを判断する能力」です。私が依頼された際によく言っている事は、「他社との比較」です。他社と比較をして私の発言が正しいかどうかを学んでくださいと伝えるんですが、それを実際にする会社はあまりありません。「人間的に信用したからお願いします」というのはもちろんありがたいんですが、これではIT度が判断できないのであまりおすすめできません。
また、ノウハウを残すにはどうするべきでしょうか。
1つは私達のようなコンサルティング会社を入れて、相手のスキルやノウハウを判断する能力を身につけることです。もう1つはウェブ制作会社やウェブマーケティング会社の社長や担当者を自社の社外取締役や担当部長に据える事です。この場合、取締役や執行役員にする方が、人材選択を失敗したときに契約終了できます。正社員雇用をすると、もし能力不足を感じてもなかなかリストラができません。
この2つに共通するのはITに精通した外部の人間を入れる事です。こうする事によって自社にITに関する知識などを定着させる下地を作る事ができます。
また、こういった下地ができていないと、サイボウズやキントーンなどのITツールを導入しても使いこなせない事が多い印象です。マーケティングオートメーションなんかもそうです。SATORIのように高価なものを導入すれば高い効果が出ると期待される人が多いですが、使いこなせずに失敗してしまう企業が多い印象です。
結局、大企業でも中小企業でも組織というのが大事です。そして組織で一番大事なのは現場ですがその現場を作るのは上の人間です。この上の人間がITに関してきちんとした知識を持つ事がとても重要です。