口コミのステマにご用心。理想のレビューは「F型」
日本ではは世界に比べ、口コミの重要度が高いとされています。飲食店はもちろん、病院やちょっとした商品すらも、消費者は購入前に口コミをチェックします。消費者としては口コミのステマを見破り、事業側は正しく口コミを使う必要があります。
口コミで大事なのは点数ではなく内容
口コミで大事なのが点数ではなくその内容です。口コミの内容・文章・コメントが重要なのです。しかし口コミは誰でも書けるもののため、事実とは異なるものや誹謗中傷が書かれることもあります。実際に口コミをめぐって都内で医師が複数人集まり、訴訟した事例が話題になりました。Googleマップの口コミに身に覚えのない誹謗中傷が書かれていたため、再三削除依頼をするも削除してもらえず、提訴となりました。
(参考)“クチコミで利益侵害された” 医師らグーグルを集団提訴|NHK 首都圏のニュース
弊社のお客様でも口コミで誹謗中傷を書かれた事があります。この時は分かりやすい誹謗中傷だったおかげで削除する事ができました。これが身に覚えのないものや分かりにくい誹謗中傷だった場合は、Googleもそれが事実と異なるのかどうかの判断ができません。そのため、先述の医師の件のように、簡単に削除してもらえないといった事になってしまいます。
医師たちの訴えを見ても、事業経営に影響を及ぼすのは口コミの点数ではなく内容です。口コミと言えば点数を気にしがちですが、内容の方を重視するのが事業者としては正しい姿勢と言えるでしょう。
信頼できる口コミはF型をしている
「事実と異なることが書かれることもある」口コミですが、信頼できるものはあるのでしょうか?実は口コミにの中には信用度が高い「口コミの形」というのがあります。それが「F型」と言われるものです。簡単に言うと、口コミの数が5点・4点・3点の順に多く2点・1点が少ない、グラフがFの形になっている状態を指します。
(参考)【失敗しない】Amazonレビューで地雷商品を見分ける方法【通販サイトの口コミ】 – 暮らしと北欧インテリア|LIVINGSKAPE[リビングスケープ]
Amazonなどを見ていると、例えば
- 5点の評価しかない
- 5点と4点しかない
- 5点と1点の両極端のような口コミ
を見かける事が多いと思います。このような口コミは一見良いように思えるかもしれませんが、不自然で信頼し辛いものです。特にAmazonや楽天などのショッピングモールでは、「お金を払って書いてもらう」「プレゼントをつけて良い口コミを書いてもらう」「割引クーポンをつけて書いてもらう」ということが行われてきました。利益の見返りで口コミを書いたという過去があるため、極端な点数になりがちなのです。
対してF型は5点が多いのはもちろんですが、次いで4点3点が多いため、口コミとして統計的にも自然です。お金などの利益を得て4点3点をつける人はそうそういないので、3点・4点がそれなりにある「F型」の口コミは信頼に値するという訳です。
口コミは良過ぎても悪過ぎてもダメ
ではなぜ5点ばかりの口コミは信頼されないのでしょうか?確かに5点ばかりの口コミは一時的な売上アップにつながるかもしれません。しかしそれは目先の利益としてはいいですが、1年2年と長い目で見ると信用が落ちて自社のブランドを毀損しているにすぎません。そもそも全員から好かれる事なんて人でもお店でも商品でも、ありえないのです。どんなに良い店でもどんなに好感度の高い芸能人でも、合わない人は一定数必ずいます。ですから、5点ばかりの口コミがあると「何か変な事をしてる」と判断され、信用を落としてしまうのです。
また、星のつけ方には個人差があります。どんなに良い店でも5点をつけない人もいますし、悪い口コミしか書かない人もいます。さらに、有名な店でも口コミはあまり多くなかったりもします。例えば大阪の有名なスイーツ店では10年以上人気を博しているお店があります(五感-GOKAN- 北浜本館)。口コミ数は約2000件です。長年経営している有名店でこの数なので、有名でもないのに、数年で5~6000件の口コミがあるような店は、完全に不自然です。そしてこの時点でお客側から見ると口コミの信憑性がなくなり、利用価値もゼロになります。
今世界的に口コミへの不満は高まっているところなので、今後日本だけでなく世界で口コミのあり方が変わっていくかもしれません。