数字に強いよりも、マーケターに向いているのは周りに気を使える人

マーケティング職、すなわちマーケターに求められる資質といえばなんでしょうか?一般的にマーケターは「数字に強い人」や「アナリスト的な思考ができる人」が向いていると言われています。確かに、数字を分析する能力は業務の基盤となります。

しかし、マーケティング業務は分析だけで完結しません。数字に加えて、さらに重要な要素が必要だと思います。それは、「他者への共感・気遣い」の能力ではないでしょうか。私の個人的な見解ではありますが、気遣いができる人はマーケターに向いていると思います。

数字の裏にある「顧客の状況」を想像すること

マーケティングの業務において、分析はあくまで手段の一つに過ぎません。広告、インサイドセールス、メールDMなどはすべて、顧客とビジネスを繋ぐための「インターフェース」であり、本質的な目的ではありません。

マーケターの仕事とは、これらの手段を通じて、顧客にどうなってほしいか、顧客にどう理解してほしいかを理解することです。たとえば、広告運用で直帰率やエンゲージメント時間、コンバージョン率といったデータを見たときに、単に「数字が悪いから改善しよう」で終わらせてはいけません。

例えば直帰率が高い…顧客にとって不必要な情報が提示されている、または適切なターゲットに届いていない可能性というのが考えられます。コンバージョン率が低い…オファーが魅力的ではない、表現が分かりづらい、あるいはそもそも商品・サービスに課題がある、といった状況が考えられます。

これらの数値から、「この広告を見たユーザーは、LPに来て満足しているのだろうか?」「このオファーは本当にユーザーにとって価値があるのか?」と、顧客の状況を深く想像することが不可欠です。

マーケティングの本質は「共感」と「誠実さ」にある

マーケターに必要な資質として、個人的には下記の2つが必要かな?と考えています。

他者への共感

顧客の立場になって物事を考える「共感」の姿勢は、マーケティングにおいて最も重要な要素と考えています。これはデザイン思考でいう「共感」にも通じるものです。

顧客が「こうしてほしい」「これができないか」と思っていること、そして顧客が言葉にしていない「本質的なニーズ」を理解するためには、顧客に深く共感できる能力が求められます。共感によって、広告のクリエイティブやウェブサイトの表現が適切かどうかを判断できるようになります。

インテグリティ

ビジネスの目標としてお金を稼ぐことは重要ですが、お金はあくまでツールです。そのツールを使って「社会を良くする」「何かを成し遂げる」というミッションを達成するためには、顧客に対して嘘をつかないインテグリティ(誠実さ)が不可欠です。誠実でなければ、長期的にビジネスを成長させることは難しいでしょう。

まとめ:周りに気遣いができる人こそ向いている理由

ドラッカーの言う通り、「マーケティングの理想は、販売を不要にすること」です。つまり、商品やサービスが、顧客に必要とされ、愛され、放っておいても売れる状態を目指すことです。

この理想を達成するためには、「どうすれば多くの人に好かれるか」「どうすれば必要とされるか」という、徹底したユーザー目線ユーザー理解が不可欠となります。

だからこそ、マーケターとして最も向いている資質を持っているのは、「周りの人の幸せを考えられる人」「飲み会などで自然に相手に気遣いができる人」ではないでしょうか。相手のことを深く考えようとするその姿勢こそが、ユーザーに共感し、そのニーズを深く理解する力へと直結するからです。

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

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