【飲食店等の店舗ビジネス向け】基本的なWebマーケティング戦略の考え方
飲食店や美容院、整骨院などの店舗が必要なビジネスにもWebマーケティングは活用いただけます。チェーン店であれば予算も豊富にあるかと思いますが、個人店舗だとなかなか集客も難しいと思います。
今回、こちらの動画内容の要約書き起こしでは、店舗を持つビジネス向けのWebマーケティング戦略についての考え方をご紹介します。
目次
Webマーケティング戦略の原則
どのようなビジネスにも共通する「Webマーケティング戦略の原則」があります。これらを先に押さえた上で、施策を考えていきましょう。
何を狙いにした施策なのかを押さえる
Webマーケティングでは狙いが非常に重要です。一般的にユーザーは3つのステージを通って購入・来店します。
- 認知
- 最初は店舗も商品も知らないユーザーに知ってもらうための「認知」です。認知の活動は店舗の住所、電話番号などの基本的な情報から、どのようなメニューがあるのか、オススメはどんなものか、誰がやっているのか?などの情報を知ってもらいます。
- 比較検討
- 店舗の情報を知ったユーザーのうち、良い印象を持ったユーザーは次の段階にすすみます。それが「比較検討」です。同じような商品、サービスを取り扱う競合店はたくさんあります。飲食店・美容院・サロン等、どこがいいのか?どの店が一番自分に合っているのか?安いところはどこか?などを比較検討します。
- 行動
- そうして、比較検討した後に「行動」があります。比較検討で良い印象を受けたユーザーは行動を起こします。ただ、確実に行動を起こすわけではなく「今じゃなくていいか」「お金がかかるし、やめておこう」「一人で行くのも違うかな」など、様々な行かない理由を思い起こし行動しないということもあります。ですので、来店を促す施策も重要です。
顕在客から狙う
加えて、「顕在客から狙う」という基本原則があります。顕在客とは店舗やメニューのことを知っているユーザーのことです。顕在客の逆に潜在客というのがあり、潜在的に顧客になる可能性はあるけれども、店舗やメニューなどのことは知らないユーザーを指します。
顕在客はすでに店舗の場所などを知っていますから、来店するハードルが比較的低くなっています。来店する動機を作るだけです。逆に潜在客の場合はまず店舗を知ってもらわないといけませんし、店舗のメニューや雰囲気を知ってもらって、競合他社よりもいいなと思ってもらう必要があります。来店までいくつものハードルを超えないといけません。
ですので、なるべく顕在客から狙うのが鉄則です。
お客様以外には嫌われても良い
飲食店にしてもヘアサロンにしても、対応できる顧客は限られています。逆に言えば、ほとんどの人はお客様になりません。日本の人口の99.9%以上があなたのお店のお客さんではないのです。
Webマーケティングの集客だと、不特定多数の人を相手にすると勘違いしがちです。口コミなどで知らない人から悪く書かれたりもします。しかしそういう人はお客様ではないのですから、目の前にいるお客様以外から嫌われてもいいという覚悟が必要です。もちろん誹謗中傷や虚偽の口コミなどは積極的に通報していく必要があります。
大事なのはあなたのお店に来て、お金を払ってくれる人なのです。
新規顧客獲得とリピート戦略の2つを区分けする
店舗ビジネスが売上を上げていくとなると、新規顧客の獲得が重要になります。またそれと同じくらいリピートしてもらうということも重要です。新規顧客開拓とリピート戦略は一気に行うことはできません。販売促進の施策は必ず狙いを定めて行う事が重要です。
新規顧客獲得の戦略
新規顧客獲得の戦略においては下記を意識しましょう。
認知・比較検討段階でどうやって勝つか
「興味を持って、他社と違う」という部分を作ります。できれば価格以外で作るのが良いでしょう。
全く他の店舗での取り扱いがない、という商品・サービスはありませんので、少し際立つようなものでOKです。
- オーガニック素材だけで作るワンプレートランチ
- 手作り酵母で作ったハードパン
- ◯◯大会第2位の美容師がいるヘアサロン
- お笑いDVDが見れるネイルサロン
来店の理由を作る
「立地が悪いから、なかなかお客さんが来ない…」確かに飲食店等の店舗は立地が重要ですが、中には立地が悪く車がなければいけない場所にあるにも関わらず、たくさんのお客さんがいるお店もあります。
来店するにはユーザーにとって理由が必要です。例えば「母の日プレゼントイベント」や「バレンタインイベント」など、イベントを行うのも一つの方法です。
また、わざわざ行きたくなるような、独自の商品・サービスを作り出すのも有効です。「認知・比較検討段階で勝つ」項目を更に先鋭化したものになります。
また、Webマーケティングとは言えないのですが、できる限りそこに店舗があるということをアピールする必要があります。具体的には
- 外から中が見えるようにすること
- 店舗の前で店長等がチラシを配ること
外から中が見えないと、皆さん入りにくいですから、できるだけ外から見えるような店舗にしましょう。さらに店舗の前にスタッフが居て、チラシを配れて、店舗のアピールになります。少しでも興味関心を持った方を店内に招き入れることもできます。
すごく細かい部分ではありますが、確実に・地道に効果がある施策ですので、ぜひやってほしいと思います。
新規顧客獲得、具体的な施策例
それでは店舗ビジネスがWebマーケティングをどのように活かせばよいのでしょうか?具体的な施策は下記の通りです。
ポータルサイトへの登録
飲食店であれば「食べログ」や「Retty」などのポータルサイトへの登録が可能です。
マッサージやネイルサロンであれば、エキテンを使うと無料で登録が可能です。
なるべく多くのポータルサイトに登録することで、露出を増やすのがポイントです。
SNS・You Tube運用
SNSやYou Tubeも無料で使えるので活用しましょう。
You TubeやSNSのいいところは店内の様子や料理、スタッフなどがわかるところです。親近感をいだきますし、初めての来店のハードルを下げることができます。
Instagram、You Tube中心に活用するのがおすすめです。
初回クーポン
初回クーポンも「来店理由」を作ることができる方法です。割引だから行ってみる、試してみるというユーザーは少なくありません。
LINE公式アカウントに登録したらサービス、なども一つの方法でしょう。
インフルエンサーの利用
インフルエンサーの利用は店舗ビジネスに向いています。
最近ではインフルエンサーに「3000円分の食事を無料にする」「カットモデルを無料でやります」「肩甲骨剥がしを無料でやります」というサービスと引き換えにSNS投稿をお願いすることができます。
一般的な広告に比べて、広告費用がかからないという点が大きなメリットです。
リピーター獲得戦略
新規顧客獲得ができても、リピーターを掴まなければなかなか売上は上がっていきません。リピーター獲得戦略についても並行して実行していきましょう。
再来店の理由を作る
再来店させる方法でよくあるパターンが「ポイントカード」です。ポイントを貯めたいという欲求をくすぐる方法です。
また、リピーターの方にはえこひいきしてあげるのも良いでしょう。飲食店なら少しサービスをしたり、整体なら5分サービスをするなど…
リピーターをえこひいきすることはすごく重要です。
イベントで理由づくり
ECサイトでは様々なイベントでキャンペーンを行っています。例えばハロウィンやバレンタイン、正月、クリスマス、母の日、父の日、勤労感謝の日…
飲食店などの店舗ビジネスも同じです。日本では毎月何らかのイベントがありますから、それに合わせてイベントを行うことで、リピートして来店する理由をこちらから作ってあげましょう。
関係性づくりをSNSで
SNSを使って店舗のアピールすると、そこにコメント頂ける場合があります。スパムは非表示でよいですが、一度来店したユーザーや近くに住んでいるユーザーがコメントをすることもあります。
そういったユーザーには必ず返事をしましょう。またInstagram等に自社の店舗に来た投稿をしているユーザーにも、お礼をすることで、関係性を作って再来店を促す事ができます。
リピータ獲得の具体的施策
売上をさらに上げるためのリピーター獲得について、具体的な施策は以下のようなものがあります。
定期的なイベント
定期的にイベントを行いましょう。定期的に行うことで、おなじみのイベントになります。
例えばクリスマスにはクリスマスセットを用意する、ハロウィンにはお子様無料にするなど、色々な施策が考えられます。
お店に見合ったイベントを行うのがよいでしょう。
口コミを強化
口コミは飲食店なら食べログやRettyなどのポータルサイト、そしてGoogleビジネスプロフィールの方にも口コミを書いてもらえるようにお願いしてみましょう。
口コミは書いてもらった見返りを渡すのは禁じられているので、気をつけてください。
またGoogleビジネスプロフィールの口コミには返信が可能です。悪い口コミにはできるだけ誠実に対応するのが良いでしょう。
アンバサダーマーケティング
アンバサダーは「大使」のことで、マーケティングで使われる場合は「宣伝大使」のことです。リピーターの中からアンバサダーになってもらい、色々な人に店舗を広めてもらう事が可能です。
アンバサダー用のバッジを作ったり、Tシャツを作ったりすると、より店舗へのロイヤルティ(忠誠心)が強まります。
SNSで関係強化
SNSではハッシュタグや位置情報を使って投稿する人が少なくありません。飲食店なら料理の写真、ヘアサロンならカットの時の写真をアップロードしてくれている人がいれば、SNSで返事をしておきましょう。
ある飲食店ではInstagramで料理や店舗をハッシュタグをつけてアップロードしている人、一人ひとりにお礼のDMをしています。
関係性を構築することがリピートにつながります。
補足:店舗集客に魔法の杖はない
弊社にもよくインターネット集客をすれば一気にお客さんがやってくる、と思われている方がご相談に来ます。しかし残念ながら店舗集客には魔法の杖はありません。
Google広告にも来店を促す広告というのがあります。最近では小さい金額で使えるようになっていますが、基本的には数十万円かかると思ってください。個人店舗には厳しい費用だと思います。
また、「ホームページはいらない、食べログがあるから」という店舗も少なくありません。しかし、弊社の今までの経験からもウェブサイトは絶対に必要です。ある飲食店の支援を行う企業様と一緒に仕事をしていたことがあります。食べログ・ホットペッパーの掲載と食べログ・ホットペッパー・自社サイトのパターンで比べたとき、予約数で3割〜5割違ったという事例があります。
認知をして貰う必要もありますし、多くのタッチポイントを持つという意味でもホームページは合ったほうが良いでしょう。「でもお金が…」という方はGoogleビジネスプロフィールには無料でホームページを作れるサービスがあるので、そちらを使うって見てはいかがでしょうか。
Google でウェブサイトを作成する - Google ビジネス プロフィール ヘルプ
店舗ビジネスのWebマーケティング戦略 まとめ
個人店舗の方が役立つようなWebマーケティング戦略の内容になっています。大手のチェーン店の場合はまた別の戦略を使うのが良いでしょう。
まずは費用を抑えて、自分たちができることを少しずつやっていくことが大事です。そしてお客さんに「来店理由」を作ってあげるのが最大のポイントではないでしょうか。
Webマーケティングラジオでも店舗のWebマーケティングを話していますので、よろしければご視聴ください。