立地の悪い飲食店の集客は広告よりも差別化が必要
飲食店といえばITやウェブ関係よりも競争が激しいものです。昔から飲食店は参入しやすく撤退もしやすい産業のため、競争が激化しやす位と言われています。その為、飲食店の集客は難しく、立地でほとんど決まってしまうとされます。
代替できない商品で差別化を
例えば、スターバックスを渋谷に、また田舎に出店したとしましょう。どちらの方が集客が多いのかはすぐに分かると思います。スターバックスに限らず大手チェーン店や、コンビニでも地方より都会を優先して出店します。競争が激しい飲食店で立地がどれだけ重要なのかは言うまでもないでしょう。
ですが、すべての飲食店が良い立地にある訳ではありません。立地があまり良くない所で営業されているパターンも多いと思います。このような立地が良くない飲食店は、どのように集客すればいいのでしょうか?
ポイントは差別化です。安く提供しパイをたくさん取る。このコストリーダーシップ戦略の逆、安売りできない商品を提供する事が差別化戦略です。そしてこの差別化をどのように行っていくのかが重要で、商品の提供方法も含み考えないといけません。アンナミラーズやフーターズを想像してもらうと分かりやすいでしょう。「ここに来ないとできない体験」を含めて商品にしているのが、この2つです。
つまり「ここに来ないと食べられない・体験できない」という「代替できない商品」を考える必要があります。例えば、行列のできる隠れ家ラーメン屋は、そこでしか食べられない味を提供しているので行列が絶えない訳です。また、そこに行ったという話題提供もできるため、行列に並ぶのです。
付加価値のついた商品が必要
では差別化した商品とは、具体的にはどういったものなのでしょうか?まず飲食店で重要なのは、一般的な人のほとんどは1日2~3食しか食べない事です。胃袋には限界があります。そしてこの胃袋を飲食店は取り合う訳ですが、その際に重要なのが、先ほどお伝えした「他で代替できない商品」です。
マイケル・E・ポーターの考えた理論で、ファイブフォース戦略というものがあります。市場での競争を図示したものですが、この中に「代替品の脅威」という項目があります。「自分の商品に取って替わるようなもの」は経営にとても影響してくる事を表しています。
例えば、大手コンビニ3社で販売されているチキン、「ファミチキ」「Lチキ」「ななチキ」がありますが、これはすべて代替ができるものです。ファミチキがなければLチキ・ななチキと別の商品で賄えてしまいます。これはコストリーダーシップ戦略で、このように作られているので良いのですが、立地の良くない飲食店はこのような商品を作ってはいけません。他の店舗で胃を満たされてしまいます。
唐揚げ1つを取っても「ここでしか食べられない」というような「付加価値」が必要になります。また、肉に限らず「ラーメンが食べたい」と思う客が「でも同じ麺類だし近くの蕎麦屋でいいか」といった代替もありますので、「絶対にあの店に行きたい」と思わせる商品が必要です。
広告は差別化した商品ができてから
弊社も飲食店の方から「お金をかけて広告を出したい」という相談をよくいただきますが、広告宣伝は基本的に一番最後に考えましょう。
認知・比較・検討をしてもらってようやく購入につながりますので、まずは商品が一番大事です。マッカーシーの4Pでもまずは商品が一番最初に来ます。ここでどれだけ良い商品を作るかが、広告にも影響してきます。
広告も商品ありきです。また、広告は魔法ではありませんので広告にお金をかける前に、まずは商品の差別化をするのが飲食店の方にはおすすめです。
※下記にて、店舗向けビジネスのWebマーケティング戦略の考え方動画を公開しています。よろしければご参考にご覧くださいませ。