エグジット戦略(出口戦略)がビジネスを成功に導く理由とは?理想の撤退と継続の両立方法

ビジネスやマーケティング施策において「いつまで続けるか」「いつ撤退するか」を考えていますか?多くの経営者や担当者が攻め一辺倒になりがちですが、出口戦略を持つと持続的成長が実現します。軍事から発展したこの考え方は、損をできるだけ減らし、価値をできるだけ多く残し、そして、次の世代への引き継ぎまで見据えた経営判断を助けます。

出口戦略の本質とは?ベトナム戦争から学ぶ現代ビジネスの教訓

エグジット戦略(Exit Strategy)は、ベトナム戦争時代に生まれた軍事用語が起源です。長期化する戦闘において、被害を最小限に抑えて撤退する方法を考える戦略から始まりました。

この考え方は現在、投資活動やビジネスに幅広く応用されています。投資では「いつ資金を引き上げるか」を決める基準となります。利益確定だけでなく損失時の撤退判断も含みます。理想的な出口戦略とは、損をできるだけ減らして、価値を最大限に残して撤退することを意味します。

マーケティング施策への応用では、以下のような具体的な基準設定が重要になります。

  • 3ヶ月間でKPIを達成できなければ撤退すると事前に決める
  • 投資対効果(ROI)が一定基準を下回った時点で施策を中止
  • 特定の期日を終了日とし、目指す成果数を明確に設定

数値化された判断基準があれば、感情に左右されないムダのない決断ができます。撤退を失敗とせず、終わり方をあらかじめ考えておけば、成長を続けられます。

次世代への継承で見えてくるマーケティング教育の必要性と現実

株式会社キヨスルでは「次の世代に綺麗なバトンを渡す」を自社の出口戦略として掲げています。マーケティングの知識やノウハウを社会全体に広く伝え、誰もが自立してマーケティングを活用できる社会を作る…これが株式会社キヨスルが目指しているゴールです。

しかし現実には、日本企業のマーケティング教育には大きな課題があります。マーケティング部門に配属されても、順序立てて学ぶ機会が少ないのが実情です。

  • 4P戦略、3C分析、SWOT分析などの基礎理論を学ぶ機会がない
  • Google広告やYahoo広告の管理画面操作を教えてもらえない
  • 上司や先輩世代も基礎から学んでいないケースが多い

この課題を解決するため、同社ではウェブマーケティングラジオやマーケティングクイズを無料で提供しています。さらに、B2BとB2C両方をカバーする初心者向け教材も制作中です。約200ページで、マーケティングの8割の知識を網羅する内容になる予定です。

ゴーイングコンサーンと出口戦略

企業経営の原則である「ゴーイングコンサーン(長く続ける会社という前提)」という考え方があります。出口戦略と一見矛盾しているように見えます。

時代は常に進化し、新しい施策やツールが次々と生まれています。マーケティングの世界も同様です。マーケティングを広めるという目標はおそらく何百年経っても終わらないゴールでしょう。本来、マーケティングの知識・ノウハウが広まれば株式会社キヨスルの役割は終わりですが、そのゴールはきっとずっと向こう側にあります。となると、出口戦略はあっても続けていくしかないのだろうなぁと考えています。

個人のキャリアにおいても同じです。60歳、65歳、70歳まで働くのか。それとも別の道を選ぶのか。自分なりの出口戦略を考えると、仕事人生がより充実します。

出口戦略は、単なる撤退計画ではありません。「いつか終わる」を前提に、今をどう生きるかを考えるための戦略です。「どうやって終えるか」と「どうやって続けるか」、その両方の覚悟が大切です。この2つを両立できる人こそ、変化の時代に持続可能な経営を実現できるのではないでしょうか。

まとめ

  1. Exit Strategyとはなにか
  2. 株式会社キヨスルの出口戦略とは
  3. 企業はゴーイングコンサーンが基本

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

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