日本国内のスマホシェア、AndroidがiPhoneを上回ったのはなぜか?「iPhone優位」はもはや思い込み
これまで日本は「iPhoneのシェアが非常に高い国」として知られていましたが、最新の調査では、メイン端末の利用率においてAndroidがiPhoneを上回るという、これまでにはあまり見られなかった結果が出ています。マーケティングや調査分析を行う上で、数字に基づいた事実を把握しておくことは不可欠です。マーケターとしては流れは抑えておきたいところです。
iPhoneとAndroidの利用率が逆転した事実
モバイル専門のリサーチ機関であるMMD研究所の2025年9月時点の調査によると、メインで使用しているスマートフォンの利用率において、以下の結果が示されました。
- Androidの利用率:51.4%
 - iPhoneの利用率:48.3%
 
僅差ではありますが、メイン端末の利用率においてAndroidがiPhoneを上回るという状況になっています。日本も世界と同じく、Androidが強い時代がやってきたと言えます。
また、利用率は年齢と性別で明確な傾向が出ております。
- 性別による違い
- iPhoneの利用率は全年代で女性の方が高い
 
 - 年代による違い
- 20代(男女ともに約7〜8割)が最もiPhoneの利用率が高い。10代はiPhoneの利用率はやや下がり、Androidの利用率が高まる傾向が見られる
 
 
さらに、キャリア別に見ても、格安SIMなどのMVNO(仮想移動体通信事業者)利用者においては、Androidが多数を占めています。これもiPhoneの利用率低下の背景の一つではないかと考えられます。
「安価な端末の長期利用」という現実
端末の利用率も調査を見てみます。注目すべきなのは、iPhoneユーザーにおいて、iPhone SEが最も利用率が高いという結果です。これは、ユーザーが「やすい端末を長く利用する」傾向が強まっていることを示唆していると考えられます。
以前はスマートフォンを2年程度で買い替える傾向がありましたが、現在は世界的に約4年程度まで長期化しています。この背景には、端末価格の高騰が一つの要因と考えられます。そのため、残価設定ローンをドコモやソフトバンク、auでは用意されているのですが、あまり利用されていないというアンケート結果もあります。64.5%と半数以上の人が端末購入プログラム、残価設定ローンを使いたくないと答えているのです。
(参考:スマホの機種変更キャンペーンの利用率は60.1% 端末購入プログラムを利用したくない人は64.5% 【モバイルナレッジが調査】 | 株式会社フォネットのプレスリリース)
「iPhoneは直感的で使いやすい」という常識の検証
iPhoneの最大の強みは「直感的で誰でも使いやすい」という点でありました。しかし、この常識も考え直したほうがいいかもしれません。
高齢者層の利用率を見てみると、直感的で使いやすいはずのiPhoneよりも、カスタマイズ性が高く複雑とされるAndroidの利用率が高くなっています。もしiPhoneが本当に直感的であるならば、説明書なしで使いたい高齢者層の利用率が高くてもおかしくありません。
つまり「iPhoneは誰もが認めるほど直感的で使いやすいわけではない」という可能性があります。iPhoneの最も重要な優位性の一つが、だんだんと薄れてきているのかもしれません。
今までiPhoneは圧倒的に日本市場では強かったですが、今後は日本市場もAndroid優勢になっていく可能性が非常に高いようです。
まとめ
- 日本のiPhoneとAndroidの利用率が逆転
 - iPhoneSEが最も使われている現実
 - iPhoneが多いというのは「思い込み」に
 
投稿者プロフィール

- 代表取締役
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兵庫県伊丹市出身
2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。
2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。
短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。
現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。 
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