本当に必要?プロ人材が不足している理由とは

現在、様々な人材紹介会社が「プロ人材」の紹介を行っています。正社員としてだけでなく、業務委託としての紹介が増えているように思います。専門的な知識やスキル、経験を持ち、企業の経営課題解決や成長戦略の実現する「プロ人材」ですが、本当にそんなに必要でしょうか?

人手不足の現在、不足しているのは「現場」

2025年現在、日本は人手不足と言われているので、プロ人材も不足しているのだろうと思われるかもしれません。しかし実際に人手不足になっているポジションはどのようなものでしょうか?ハローワーク情報サイト〜ハロワのいろは〜https://www.hwiroha.com/syokugyoubetsu_yuukou_kyuujinn_bairitsu.html)が統計をまとめてくれているので、そちらを見てみます。

こちらを見てみると、介護サービスや一般事務、自動車運転、営業社会福祉関係と、高度な技術が必要な職種は見当たりません。どちらかというと「現場スキル」が必要な職種ばかりです。介護だとコミュニケーションの方法、体の使い方、レクリエーションに関する知識などでしょうか。

一般事務だと請求・小口入金・電話対応など、自転車運転だとバスやタクシーの運転技術でしょう。社会福祉となるとちょっとわからないですが、福祉と似たようなものではないかと思います。

つまり、日本社会全体で見たときに不足しているのは「現場の人材」です。経営戦略を考えられるスキルがあったり、ノウハウが有るようなプロ人材は現場の人間ほど多く必要とされていないのです。組織のあり方を考えれば、現場が多くて管理職が少ないのが当然の形ですから、当たり前と言えるかもしれません。

実際に広告運用ができる現場も少ない

実際に、株式会社キヨスルでも現場人材が少ないなと感じたことがあります。弊社ではリスティング広告の運用代行を一部任せられる人がいればと思って求人を出したことがあります。その時、20人ほど応募がありましたが、経験者は3人くらいでした。しかもその経験者のほとんどが1年程度しかやったことがない、体系的に学んだことがない人ばかりでした。

他にもクライアントが店舗の人材がいないからと、店舗営業を縮小してネット販売のほうに集中させたり、人手が必要ないオートメーション化を行って人材の新規採用を抑えるなどしています。人手不足はどの業種でも深刻なようです。

プロ人材が不足しているのは「絞り込みすぎ」では?

とはいえ、プロ人材が少ない・足りないという声はまだまだあります。では、なぜプロ人材が少ないと感じるのでしょうか?

それは「絞り込みすぎだから」ではないかと思います。弊社でもプロ人材募集の要件を見たことがありますが下記のような形が多い用に思います。

  • 特定の業界の案件を3年以上経験している
  • 広告運用ができる
  • デザインツール(PS、AI、Figma)が使える
  • Javascript等のプログラミング・エンジニアスキルがある
  • 週3日程度、東京本社に通える

このように、いろいろな条件を複数重ねることで、適合する人材がほとんどいないと言っているのでは?と思います。実際に、フルリモートでリスティング広告の運用代行ができる、くらいのものであれば応募も結構あります。絞り込むほど応募が少ない傾向にあります。

結局、プロ人材が不足しているというのは特定の狭いスキル・ノウハウ・経験を持っている人を求めているからではないでしょうか。

プロ人材より現場に人を増やさないといけない

日本全体・社会全体で考えれば、プロ人材よりも「現場のプロ」を増やさないといけません。現場の人材を増やしていくには現場で働くことが幸せである、楽しい、休みもあれば仲間もいる…現場で働くことにメリットや幸せを感じてもらう必要があるでしょう。

今や投資で稼いでFireしたとか、フリーランスになって好きなときに好き内容に働いて稼ぐなど、まるで店舗や工場の現場で働くことが良くないと思わせるような言論が増えています。今こそ、日本は現場で働く楽しさや現場の人への報酬の増加、休みの充実など、経営者が考えることは多いかと思います。

プロ人材よりも現場に人をいかにして増やすか、それを考えたいところです。

まとめ

  1. プロ人材は不足していない、現場が不足している
  2. プロ人材は条件を細かく設定しすぎているのでは?
  3. 今後の日本に重要なことは現場を生き生きさせること!

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

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