マーケターがトレンドを追える時代ではなくなった

昔、「マーケターはテレビを見ないといけない」と言われていた時代がありました。今、広告やマーケターがテレビを見なければならない、なんて言う人はおそらくほとんどいないんじゃないでしょうか。

テレビがトレンドを後追いする時代

Twitterをはじめ、SNSが流行り始めた頃、トレンドを追うならテレビだけを見ていれば良い時代がありました。まだ4マス広告の方が広告費を多く取れていた為、「いやいやテレビも見ないとダメだよ」と言う人もたくさんいた時代です。電通などの大手広告代理店出身の人がよく言っていたような気がします。

ただ、時代は変わりました。昔のようにテレビがトレンドを作る時代は終わり、今ではテレビがトレンドを追う時代になりました。その象徴がテレビ局のSNSアカウントです。Twitterなどで動物の動画や事件の動画がアップロードされるとその投稿者に対して、「この動画を使わせてくれませんか?」とリプライを送るのです。

これはウェブライティング界隈で「こたつ記事」と呼ばれるものと同じ原理です。昔は現場に行き、取材をしないと書けなかった記事が、今はネットで情報を集めて書く事ができます。つまり、こたつに入ったまま書けるので「こたつ記事」という呼ばれ方をするのです。これと似たような行為をテレビ局のSNSアカウントがやっているのです。

また、多くのテレビ番組がYouTubeの動画を利用したり、クイズ番組が増えたりしています。今のテレビ局にお金がない事がよく分かります。更にNetfixやAmazonプライムなどで流行した番組について、テレビバラエティでコメントするなど、テレビがトレンドを後追いする状況が増えてきています。

TikTokでは1週間でトレンドが移り変わる

ネットの普及により、今はテレビを見なくても良い時代にもなりました。若者を中心に地上波の映らないチューナーレステレビが流行り、NetfixやAmazonプライムなどを視聴する用途でのテレビの設置も珍しくありません。若者のテレビ離れは年配層が思う以上に進んでいます。

参考:チューナレステレビ:Amazon

またトレンドの移り変わりは非常に激しくなっています。TikTokを例に取ると流行は1ヶ月、早ければ1週間でトレンドが移り変わると言われています。それくらいトレンドの動きは早く、それがテレビなどの大きなコミュニティではなくSNSなどの小さなコミュニティ単位で動いています。

となると「本当にそのトレンドについていく必要があるのか?」を考える必要があります。トレンドを追いかけるという昔の考え方を改める必要があると思いますし、今はトレンドを追っていては自分の身がもたないと私は考えています。

いずれはAIに頼ってトレンドを知ることも?

もはや人の手ではトレンドが追いきれなくなった時代です。今後はトレンドを追いかけるのにAIが必要になってくるのではないかと思います。AIが「今は○○が流行っています。なので○○が良いです」といった答えを出してくれるような時代がやってくるのではないでしょうか。

もちろんマーケターが調べたり、トレンドを追いかける事も必要です。ただ、最初の取っ掛かりとしてAIを使用し、本当に流行っているのかどうかなどの裏付け作業を行い、「じゃあこれでいきましょう」と決定するような流れになるのではないでしょうか。

我々が思っている以上にトレンドの動きが激しい時代になりましたし、テレビだけ見ていれば良い時代は終わりました。現在のテレビの視聴者層は高齢者がメインです。広告費もネットが4マス合計の広告費を上回りました。

テレビが中心の時代は終わりましたので、マーケターも時代に合わせたトレンドの追い方を考える必要があるのではないでしょうか。