企業は人材教育を避けたがる

弊社の知り合いやお客様で「即戦力を採用したい」という言葉をよく耳にします。つまり、人材教育にお金をかけたくないわけですが、このような考えの企業はまだまだ多いです。では人材教育に意味はないのでしょうか?なぜ企業は人材育成を避けたがるのでしょうか?

IT関係では人材教育は効果がある

実は日本には人材教育への助成金があります。国から企業へお金を支払い、そのお金で企業が従業員の研修や教育を行うといった目的の為に存在しています。では実際にその人材教育に効果はあるのでしょうか?結論から言いますと、IT関係に関しては効果があると思われます。

例えばhtmlやcss・wordpress・cmsなど新しい技術を学ぶ事には効果がありますし、ウェブサイト制作などは1・2ヶ月学べば十分な知識が得られます。これを仕事にどんどん取り入れていけば従業員の自信にも繋がっていきます。ただIT関係でよくあるが事例として、約1年程で辞めてフリーランスになる事例です。顧客が数名いれば確実な収入が得られますし、女性の場合は在宅でできる事を重視してフリーランスになる人も多いようです。

このように人材教育に効果はあります。ただ、現実には人材教育をするよりも「即戦力が欲しい」と言う人の方が多いと思われます。

タイムラグと低い確実性が人材教育を忌避させる

ではなぜ企業は即戦力を欲しがり、人材教育をしたがらないのでしょうか?理由は大きく分けて2つ考えら得ます。

まず1つ目の理由として、費用がかかるという点があります。助成金があるくらいですので、1人を教育するのにもそれなりの費用がかかります。また教育期間中ももちろん給与の支払いをしなくてはいけませんし、スキルが身についてそれが仕事に活かせるようになるまでのタイムラグもあります。研修・教育に支払う費用と効果が発生するタイムラグが、人材教育を避ける大きな要因の1つと言えるでしょう。

2つ目は研修は運任せな面があるという点です。例えば従業員10人に同じ研修をさせても、10人全員が必ず同じレベルのスキルを身につける保証はどこにもありません。人によっては全然アウトプットができない事もありますし、逆に研修以上のアウトプットができる事もあります。また、従業員が「合わないので辞めます」といって退職してしまう事もありますので、運任せな部分は避けられません。ですが企業は「確実性」を求めます。だから「即戦力を採用する」「外注をする」といった方法を取りがちです。

確実性が低いものへの投資を企業が嫌うので、人材教育を避けてしまっています。

労働者にできる事は即戦力になる事だけ

となると労働者側に何が出来るのでしょうか?

答えはたった1つです。「自分でスキルを身につける」しかありません。特にIT関係や経理などは、プログラムやデザインスキル、簿記など、実践的かつ自主学習で学べるスキルはたくさんあります。これらを自分で学び、身につけ、企業が欲しがる即戦力になるしか、労働者側としてできる事はありません。

即戦力になると聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、日本で言えば約100万人の個人事業主がいて、その人達は即戦力です。即企業と実務・仕事を行う事ができます。即戦力になるというのはそこまで難しい事ではありません。

ただ、日本の教育は課題を与えられそれを解き答え合わせをすることを中心としてきました。実際のビジネスの場で必要な「自分で課題を見つけて解決する」という問題解決能力を身につける事も重要でしょう。