ReFaの5,400円ミネラルウォーター、どうやって売る?【マーケタートレーニング】

シャワーヘッドやドライヤーなどで有名なRefaが5400円のミネラルウォーターを発売するそうです(参考:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6560411)。一般のミネラルウォーターの約50倍という高額なこの商品は売れるのでしょうか?

マーケティングに興味のある方は、ぜひ思考トレーニングとして考えてみて下さい。

ReFaが売っているのは機能性ではなくブランド

ReFaはヘアードライヤーや美顔ローラーで有名なブランドですが、これらの商品が支持されるのは、単なる機能性本質的価値(例:ドライヤーは髪を乾かすこと)を売っているのではありません。Refaはブランドとそれに付随する体験を販売しています。この戦略は、ルイ・ヴィトンやエルメスといったハイブランドと同じであると言えます。

例えば、ハイブランドのバッグが高額なのは、その機能が何十倍も優れているからではありません。「持っていることによる優越感」「承認欲求が満たされる体験」「希少性」といった付加価値を顧客に提供しているから、高額なのです。

また、Refaが食品を販売するのを不思議に思うかもしれませんが。ハイブランドもスイーツやチョコレート、ワインなどの食品を販売しています。ReFaが水という商品に参入することも、この「ブランド体験を売る」という戦略において、不自然なことではありません。

参考:チョコレート・ジェムズ: BVLGARI IL CIOCCOLATO オンラインショッピング

高額商品を販売するための「プレイス(流通)」戦略

同じ商品であっても、販売する場所(プレイス)が変わることで、価格と付加価値が大きく変わります。例えば、缶ビールはディスカウントストア、コンビニ、野球場、高級バーといった場所によって、価格が何倍にもなります。これは、ビールの本質的な価値は変わらなくても、「その場所でしか体験できない付加価値」が値段に乗っているためです。

ReFaの5,400円のミネラルウォーターを売るには、このマーケティングミックス(4P)の「Place(流通)」をいかに設計するかが重要になります。

販売チャネルの候補

この高額な水を販売する現実的なチャネルとして、以下の場所が考えられます。

  • YouTuberやインフルエンサー
    • 5,400円という価格は、彼らが「買って飲んでみた」などのコンテンツを作成するのに手頃な価格です。動画化することで大きな「話題性(プロモーション効果)」と販売実績を生み出すことが期待できます。
  • ホストクラブや高級クラブ
    • 1本数万円で焼酎のボトルが提供される夜の店であれば、この高額な水を「高額な付加価値」としてメニューに組み込むことができるでしょう。
  • 高級レストランや高級バー、ホテル内のスポーツジム
    • これらは場所自体の価値が高いため、通常の何倍もの価格で商品を提供できる可能性があります。スポーツジムだと水素水のような形で提供できる可能性があります。
  • ギフト(お中元やお歳暮
    • 贈答品として利用する場合、価格の高さ自体が「高級な贈り物」という価値になります。6本35,000円程度なら、贈り物にする人が出てきてもおかしくありません。

高額な商品をどう売るかを考えることは、マーケターにとってちょうどよいトレーニングになります。4Pにおける価格(Price)と製品(Product)が決まっている中で、流通(Place)をどう設計するか、考えてみて下さい。

まとめ

ReFaの5,400円のミネラルウォーターは、販売方法や考え方が完全にハイブランドに似た戦略を取っていると考えられます。これは、ブランド力付加価値によって、本質的価値を超えた価格で商品を販売する事例と言えるでしょう。この商品が話題になること自体が、ReFaにとって大きな広告効果となっており、プロモーションとしても非常にうまいと思います。

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

キヨスルコミュニティのお知らせ

キヨスルコミュニティはクリエイターと繋がれます。