問い合わせフォームからの営業を全否定できない理由
昔、ベンチャー企業の社長と「ネット上の営業」について議論したことがあります。その際に話題になったのが、問い合わせフォームからの営業でした。今でも問い合わせフォームから営業メールを送る事は行われていますが、これはスパム行為に当たります。しかし、一概に否定できない側面もあります。
営業=迷惑であるという認識を持たねばならない
営業において「電話はいいけど問い合わせフォームはダメ」という考え方について、私個人としてはありえないと思っています。電話もロボットがかけているものもあります。「誰彼構わずに営業する事」が「スパム」なのではないでしょうか。もちろん電話だけでなく、DMならメールも紙も同じくスパムと言えるでしょう。
そもそもの話で営業というのは問い合わせフォームに限らず、電話・DM・訪問などどんな方法でも「迷惑である」事に変わりはありません。営業=迷惑であるという認識が必要です。
私の体験になりますが、とある展示会に出展したときです。見に来ていただいた方にチラシを渡しましたが、迷惑がられた事が何度かあります。展示会に来て、ブースの前を通ればチラシを渡される事は想定できる事ですが、それでも迷惑がられます。また、チラシなどを配っても断られる確率の方が圧倒的に高く、名刺交換などに漕ぎ付ける事の方が展示会では稀です。
展示会だろうが電話だろうが訪問だろうがメールDMだろうが、どんな方法を取っても営業を「迷惑」だと感じる人の方が多数派なのです。個人的な体感としては8~9割の方は営業行為を迷惑に考えているのではないか?と思います。
いらない物の営業だから迷惑に感じる
ではなぜ営業を迷惑だと感じる人の方が多いのでしょうか?答えは簡単で「いらない物を売り込まれている」からです。いらない物を「いりませんか?」と営業されても迷惑なのは、どんな人でも同じです。数ヶ月以内に必要な物であればまだ購入の可能性はありますが、数年先やこの先ずっといらない物を営業されても、購入するはずがありませんし、迷惑にしかなりません。
逆にいえば「いる物を営業される」と「嬉しい」と感じる人が多数派になるでしょう。空腹の時にハンバーガー、喉が乾いた時に水…。その瞬間に必要としているので喜ばれ、購入につながりやすいと言えます。いる物を売られると嬉しい、いらない物を売られると迷惑、これが基本です。営業の際には当たり前のことかもしれませんが、頭に入れておくと良いでしょう。
営業先の選別は効率アップにつながる
現在行われている経済活動の中で必要な営業は、どの程度あるでしょうか?ほとんどの営業が基本的にいらない物ではないでしょうか。
ほとんどの人にとっては弊社で行っているリスティング広告の運用代行も、ホームページ制作もいらない物ですが、中には必要な人がいます。必要としているその人達を探し出して営業すれば喜ばれるわけです。
では必要としている人達をどうやって見つければいいのでしょうか?ここでマーケティングの出番になります。例えば「商品のカタログをダウンロードした人にだけ」「展示会で名刺交換をした人にだけ」「セミナーに来た人にだけ」営業するといったやり方があります。このように、「営業先を先に選別する」事が、今の営業にはとても大事になってきます。また、選別する事によって営業する回数も、クレームの数も減らせますので、効率も良くなります。
問い合わせフォームでの営業、メールDMでの営業、テレアポでの営業…すべて一緒です。違いがあるとすれば、それは営業先を選別しているかどうかの違いだけです。昔は「営業は適当な会社に飛び込めばいい」「ビルの上から順番に訪問する」といった事が言われていましたが、今の時代は誰も喜びません。逆にクレームになり、炎上などのトラブルにもなりかねません。
きちんとマーケティング施策を行い、営業先を選別して効率良く売り上げを上げていきましょう。