アクセス解析のレポートはまとめる・比較・読み解く・提案までがセット
今回は私の主な業務であるアクセス解析レポートについてです。そもそもレポートとはなんなのか、レポートの活用方法はどういったものがあるのかについてお話します。皆さんはレポートの数字をちゃんと見る事はできているでしょうか。
レポート作成はスタートラインに立っただけ
皆さんの会社では自社サイトのアクセス解析を行っていますか?
最近ではGoogleアナリティクスなどの便利で安価なツールがたくさんありますが、どれを利用してもアクセス数や何が何回表示されたかなどの数字です。そして「数字をレポートにして報告しました」で終わらせている人がほとんどです。これが実はあるあるな事なのですが、レポートは提出して終わりではありません。ここからがスタートです。
なぜレポートを作ってからがスタートなのでしょうか。そもそもレポートというのは「過去の状況」を数字などで分かりやすく見られる形にしたものに過ぎないからです。過去これだけの結果が出ているからと言って、未来も同じ結果が出るとは限りません。1日や1週間単位での推移なら同じ結果が出る事もありますが、Googleのアップデートや競合他社の動きなど、日々様々な変化があります。中長期になると同じ数字が出る事はまずありません。
ではなんの為にレポート、過去の数字を見るのでしょうか?それは過去を見てまとめ、比較し、読み解いて新たな施策を提案する為です。
前月や前年の数字をまとめて比較し、なぜそうなったのかを読み解きます。良かった部分は続けましょう。悪かった部分は止めましょう、という提案の為にレポートはあります。ここまでして初めてレポートの意味が出てきます。
レポートは数字だけしか出ません。弊社のお客様はウェブマーケティングのプロではありません。レポートの数字を見ただけで、状況を把握し、何をすればよいかが分かる人はほとんどいません。なので私達のようなプロが数字を見て、
「ここで数字が上がっていますが何かありましたか?」
「テレビに取り上げられました」
「じゃあここは例外として考えましょう」
というようにまとめて、施策を提案します。または
「メルマガを打ちました」
「じゃあ数字もコンバージョンも伸びてますのでメルマガの内容をもっと考えていきましょう」
といったように、まとめる・比較・読み解く・提案をするのです。
自分の勘はマイノリティの可能性が高い
レポートではもう1つ重要な事があります。それは数字を信じる事です。
レポートの数字よりも「今までこうしてきたから今回はきっとこうだ」といった勘を信じる方は少なくありません。弊社のお客様にも過去、そういった方はいらっしゃいました。決して珍しい事ではありません。
ですが、実際には数字の方が正しいのです。勘というのはあくまで予想でしかありません。もし「○○の施策を行います。理由は私の勘です」と提案したら、その人の責任はとても重くなってしまいます。しかし「数字を見て分析したので○○します」と言ったらその人が数字を間違わない限り、大きな責任は取らなくて良いでしょう。
あえて数字を信じる重要性をお伝えする理由は、私も含めて自分が考えていることと世間には必ずズレがあるからです。例えば年齢の高い人が巨人阪神の試合をビッグイベントだと思うのに対して、若者はソフトバンクの方が強いと感じている事もあります。そもそもスポーツの幅が広がり野球自体の人気が下がっているため、野球を楽しみにしている人は減っています。
このように、自分の考えは世間と同じではないという視点を持つ事が大切になります。BTSやタピオカや巨人やスパイファミリーなど、世間にあるものすべてを追いかけているファンはいません。私達の好き嫌い1つ取っても多様化しており、自分の勘は多様化の1つに過ぎません。
たまたま自分の勘がマジョリティに当たれば、それはラッキーだっただけで基本的にはマイノリティである認識を持たなければなりません。自分の勘と世間のギャップを埋める為にはレポートの数字を信じる事が大切なのです。レポートの数字は世間の興味関心を表しているのですから。