Amazon・楽天等になぜ何万件もの口コミがつく商品が存在するのか?
ネットショッピングの際、口コミを見る人は多いのはご存知のとおりです。しかしその口コミを見て「どうしてこんなにたくさんの口コミがこんな商品についているんだ?」と思った事はありませんか?
大量の口コミはショッピングモールをハックしたいから
例えばAmazonでよくある中国系企業の商品の口コミですが、口コミ件数が0から2,000件と大量にあります。そして、ほとんどが星4~5と高いものばかりついていて、評価もべた褒めだったりします。楽天でもランキングを見ると、聞いた事もない無名企業の商品に万単位の口コミがついています。
なぜこんなにも有名商品でもないものに、口コミがついているのでしょうか?これは「ショッピングモールのハック」を考えてのことです。
自分がAmazonや楽天の運営者として考えた時に「すでに人気の商品をよりたくさん売る方が楽」だとは思いませんか?その考えはAmazonや楽天でもまったく同じで、人気の商品を優遇するようになっています。売れれば売れるほど、自分達にマージンが入り儲かるからです。
Gigazinさんの記事に「Amazonのベストセラーメーカーが1年で後発メーカーに敗れ9億円以上の損失を出し倒産するまで」という記事を書いています。Amazonベストセラーにまでなったマッサージガンが、同じような商品を作ったメーカーにやられたという話です。普通のビジネスも競争ですから、後発企業にやられることもあります。ただ、この話はビジネスの競争とは言いづらい部分があります。
この後発企業はAmazonに出品した商品を95%割引にするクーポンをFacebookでばらまいていたそうです。そして1週間で5~6000件の購入実績を作る事に成功しました。もちろんこの件数のほとんどが自作自演でしょう。(クラウドソーシングなどで注文してもらう人を募集し、注文金額と同額を返金するなど)ただ、Amazonのプログラムはこの購入実績で「あ、これは人気商品なんだな」と判断します。結果的にベストセラーやお勧めといったバッチがついてしまい、購入者を騙す形になってしまいます。
Amazonではこのようなやり方で中国系の企業がハックしている事がよくありますし、度々起こり得る事なので購入者側も注意が必要です。ショッピングモールでは手頃な単価の物を大量に売ろうとする傾向が強く、売れない商品を頑張って売ろうとはしません。その為に出店企業側は消費者にはもちろん、ショッピングモール側にも自社商品は人気だと判断してもらう為に、大量の口コミや購入実績を作っているわけです。
Amazonや楽天への出品が向いている企業
こう聞くと、まるでAmazonや楽天への出品が良くないように聞こえるかもしれませんが、そんな事はありません。しかし向き不向きはあります。Amazonや楽天への出品が向いている企業のポイントは3つです。
1つ目はすでに認知度の高い商品がある場合です。この場合すでに消費者に知ってもらっていますので、利用者の多いAmazonや楽天へ出品する事でたくさんの購入が見込めます。
2つ目は広告費をたくさんかけられる企業です。ポイント10倍や割引、送料無料などで販促する事で、消費者の購入へのハードルを下げる事ができます。Amazonや楽天もそういった商品を優先的に上位表示していますので、販売数をたくさん獲得できるでしょう。
3つ目は客単価の低い商品がある場合です。ある程度客単価の低い商品である方が、購入へのハードルが低くなりたくさんの購入が見込めます。ただしこの場合は送料無料である事が必須です。送料がかかると安い金額の商品も買われません。
ショッピングモールのハックは取引停止の可能性も
大量の口コミでAmazonや楽天でのショッピングモールのハックがあると説明しましたが、もちろんこの行為はルール違反です。最悪の場合、取引停止や損害賠償請求などにもなりかねません。なのでお勧めは一切できませんし、コンサルタントとしてもそのような提案は一切しません。
もし新規でECサイトを作りたい場合はAmazonや楽天などのモールに出展するよりも、フリマアプリがお勧めです。メルカリなどのフリマアプリでは口コミよりも、きちんと発送されているかどうかが重視されていますので、初めて物販をするならまずはフリマアプリからはじめ、徐々に広げていくと良いでしょう。