ユーザーはインフルエンサーの何に期待しているのか?

この夏オープンした沖縄県北部の「ジャングリア」ですが、ご存知でしょうか。オープンしてからは招待されたインフルエンサーが絶賛をしていましたが、ネット上には批判的な声も多くありました。ライターのヨッピーさんは自分で行って、リアルな体験を記事にしていたりします(ジャングリア開業 山積みの課題と対策について)。

なぜ今回、インフルエンサーの絶賛と一般ユーザーの批判的な声という、意見が真っ二つに割れてしまったのでしょうか?

インフルエンサーマーケティングの狙いとは

企業がインフルエンサーマーケティングを行う理由はなんでしょうか?インフルエンサーに依頼する理由は大きく2つで「認知獲得」と「好印象を持ってもらう」ためと言えるでしょう。

  • 認知獲得…インフルエンサーについているファンに商品やサービスを知ってもらう(テレビCMとほぼ同じ)
  • 好印象を持ってもらう…インフルエンサーの持つ影響力を利用し「この人が勧めているなら悪いものではないだろう」と良い印象を持ってもらう(テレビCM等ではなかなか難しい部分)

インフルエンサーマーケティングに期待する効果というのは、大きくこの2つかと思われます。で、インフルエンサーマーケティングを行う企業側(エンドクライアント)はこのように考えているのではないでしょうか。

  • たくさんの人に知ってもらいたい
  • たくさんの人が興味を持ってほしい
  • たくさんの人が購入してほしい
  • そして最終的に売上・利益が上がってほしい

このように最終的に売上・利益が上がることを考えているかと思います。

ユーザーはインフルエンサーマーケティングをどう見ているか

企業側はインフルエンサーマーケティングで多くのユーザーにアピールすることができ、良い印象を与えることができると考えているかと思います。では、実際にユーザーはどのように思っているのでしょうか?

一般社団法人クチコミマーケティング協会がアンケート結果が非常に興味深いものでした。

「関係タグ」のついた投稿について

  • #PR、#プロモーションの投稿を「単なる広告だと思っている」…36.4%
  • 紹介されている商品やサービスが信用できない…11.3%
  • 紹介されている商品やサービスへの親しみやすさが増す…7.9%
  • 紹介されている企業への信頼が低下する…7.6%
  • 紹介されている企業への親しみやすさが増す…7.3%

PRやプロモーションのハッシュタグが入っている場合、ユーザーは単なる広告として見ているのです。インフルエンサーが勧めているとも思わないのです。また商品や企業への親しみが増すと答えているユーザーの割合よりも、信用できないと考えるユーザーの割合が多いのです。認知は広まるかもしれないですが、信用やポジティブな反応は広まりにくいと考えたほうが良いでしょう。

また、「タレントやインフルエンサーが商品・サービスを紹介することに関して」見ると下記の通りです。

タレントやインフルエンサーが商品・サービスを紹介することに関して

  • 信頼できる人と信頼できない人がいる…36.1%
  • 自分の金儲けのためだ…24%
  • 本心では良いと思っていないのに推奨する…21.2%
  • 推しが紹介していれば、どんな商品も買ってみたい…9.1%

タレントやインフルエンサーが商品・サービスを紹介しても、信頼できる・できないは人によると言えます。また、自分の金儲けのためではないか?本心ではいいと思っていないではないか?など、あまり良い感情を抱いていないユーザーが多くいます。

一方の買ってみたいと感じる人は9.1%とかなり少ない数字になりました。

マイナスプロモーションになる可能性もありうる

インフルエンサーマーケティングに関するアンケートからも、インフルエンサーに依頼した商品やサービスがネガティブに捉えられてしまう可能性もあります。つまりお金を払ってマイナスプロモーションになってしまう可能性もあるわけです。過去には芸能人が多くプロモーションしたペニーオークションのような例もあります。

今や令和あ「個」の時代です。個々人がそれぞれの興味関心を持っていて、マスにアプローチするのが難しい時代になっています。そんなときにマス型のマーケティング手法を取ってしまうのはマイナスプロモーションになってしまいかねません。

インフルエンサーマーケティングもインフルエンサーの持つパワーを利用するのは悪くないですが、マイナスプロモーションにならないように注意が必要です。

まとめ

  1. インフルエンサーマーケティングがまた話題に
  2. エンドクライアント・ユーザーはどう思っているのか
  3. 今後はマス型の手法は厳しくなる

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

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