営業職の方向け、マーケティングの活用方法

営業職の方、マーケティングをどのように活用されていますか?まったくマーケティングを活用していない、と思われがちですが、実は営業職の方にとっても、マーケティングは活用可能です。かつ活用することで営業が楽になる可能性もあります。

どのようにして営業職がマーケティングを活用すればよいのでしょうか。

マーケティングの理想は「販売を不要にすること」

マーケティングの理想は、商品を置くだけで自然に売れる状態を目指すものです。経営学者ピーター・ドラッカーは「マーケティングの理想は販売を不要にする状態」と述べています。この考え方は、オンライン・オフラインを問わず普遍的なものです。

楽天やAmazon、自社ECサイト、実店舗等、どのチャネルでも自然に商品が売れる、これがマーケティングの究極のゴールです。顧客が商品の存在を知り、その価値を理解し、自ら購入を決断します。営業担当者が説得しなくても、商品が勝手に売れる状態が理想の状態です。

逆に「営業しなければ売れない」という状態は、理想から最も遠い形といえます。営業担当者が一件一件訪問し、説明し、説得しなければ売れない状況は、企業にとって大きな負担です。マーケティングはそんな営業を楽にすることも可能なのです。

現実のマーケティングは「営業を楽にする」活動

多くの企業において、マーケティングの現実的な役割は「営業活動の負担を減らすこと」として使われています。営業をゼロにするのは現実的には難しく、より少ない労力で高い成果を上げられるようサポートするのが現実のマーケティング活動です。

営業担当者の方は普段から、ターゲット企業を絞っているかと思います。ターゲットを明確にすれば、成約率が向上し、営業担当者の負担が軽減されます。たとえば、自社の商品に興味を持っている企業、予算がある企業、決裁権を持つ担当者を特定するなど、条件を絞り込むと営業効率は大きく変わります。

また、マーケティング活動によって事前に商品の認知度や信頼性を高めておけば、営業担当者が訪問したときの説明時間が短縮されます。すでに商品の価値を理解している顧客に対しては、細かい条件の確認や契約手続きに集中できるため、一人の営業担当者がより多くの案件を担当できるようになるのです。

現実のマーケティングは営業を楽にする活動につながっています。「誰に売るか」を明確にし、営業が成果を出しやすい環境を整える仕組みづくり全体を指します。

営業を支援するマーケティング施策の具体例

営業効率を高めるマーケティング施策は多岐にわたります。例えば、以下のような取り組みがあります。

  • 商品や企業の認知度向上(テレビCM・SNS発信など)
  • 商品の品質改善や値決め
  • 口コミやSNSでの露出拡大
  • 顧客満足度の向上によるリピート促進
  • オンライン・オフラインどちらでも購入可能にする

これらの施策は、それぞれが営業活動をサポートする役割を果たします。たとえば認知度が高まれば、営業担当者が訪問したときに「知っている会社だ」と思ってもらえるため、話を聞いてもらいやすくなります。商品の品質が向上すれば、既存顧客からの紹介が増え、新規開拓の負担が減るでしょう。

マーケティングは「プロモーション(販売促進)」だけでなく、商品開発、価格設定、流通、販促といった、いわゆる「4P(Product・Price・Place・Promotion)」のすべてに関わる活動です。営業が「売りやすい環境」を整えるのが、マーケティングの真の役割ではないでしょうか。

まとめ

  1. 理想のマーケティングは販売が不要になること
  2. 営業を楽にすることが現実的なマーケティング
  3. 営業効率を上げる方法は無限にある

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。

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