ビジネスに再現性を求めてはいけない
Googleの生成AI「Gemini」にビジネスにおける再現性について聞いてみると、下記のような返答がありました。
ビジネスにおける再現性とは、同じ条件や手順で同じ結果を得られる可能性の度合いを指します。再現性を高めることで、リソースを無駄遣いせずに、小さな成功を拡大し続けることができます。
再現性が高いビジネスモデルでは、サービスやオペレーションを型化してカスタマイズを封じることで、サービス品質の安定化や組織の規模化が図れます。
なぜビジネスにおける再現性が叫ばれるのか
ビジネスにおいて、再現性が叫ばれる理由は何でしょうか?下記のような再現性を叫ぶ企業は少なくないかと思います。
再現性が叫ばれる場面
- 全営業マンがトップ営業マンと同じ成果を残せるよう⇒トップ営業マンを再現したい
- どんな人がやっても同じ結果が出るように⇒属人性を排除して、機械のようにアウトプットしたい
多くはこの用に人材に関係した部分で再現性を考えるのではないかと思います。もしトップ営業マンを再現できれば、成約数があがり売上が上がるのは間違いありません。機械のようにアウトプットを一定にできれば、人材採用で能力のある人を探すなどの労力が必要なくなります。
つまり、仕事で楽をして稼ぐためにビジネスでは再現性が叫ばれるわけです。
ビジネスで再現性を実現できるのか?
ビジネスでは効率性を上げることは非常に重要ですが、再現性を求めるところまで行うべきでしょうか?そもそもビジネスで再現性を実現できるのでしょうか?
結論として、ビジネスでは再現性を実現することはできません。それは「外部環境が変わるから」です。例えば、過去にはこのような外部環境の変化がありました。
- 2020年から2023年は新型コロナウイルスに社会が混乱した時代だが、2025年現在のやり方がコロナ禍で通用したか?
- 2025年現在は150円を超えるドル高円安だが、ドル円レートが100円の時代と同じやり方が通用するか?
- 2025年現在は人材不足が激しいが、就職氷河期時代と同じやり方が通用するか?
このような過去の事例から見て、同じようなやり方が通用するわけないということがおわかりかと思います。それぞれの時代に合わせて、効率を上げていくことは重要ですが、再現性を求めたところで数年後には通用しなくなるのです。それだけ外部環境の変化は激しいのです。
業務の再現性は実現可能
ただし、業務ごとの再現性というのは実現可能です。下記のような業務が再現できれば、効率が上がるのは間違いありません。
- よくある開発を「プラグイン」にすることで、初学者でも簡単に導入ができるようにする
- よくある顧客からの相談はQ&Aにまとめ、誰でもQ&Aを見て対処できるようにする
- マニュアルを用意することで、事務作業が誰でもできるようになる
業務においてはこの用に効率を上げるために再現性を求めることは可能です。ビジネス全体では外部環境に由来する部分が大きいですが、業務ごとに再現性を追求し、効率を上げていくことは会社組織として重要な行動ではないでしょうか。
まとめ
- ビジネスに再現性を求める場合が多い
- 再現性は人材の悩みでよく叫ばれる
- ビジネスでは不可能だが、業務では再現性は実現可能
投稿者プロフィール

- 代表取締役
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兵庫県伊丹市出身
2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。
2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。
短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。
現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。
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