AI時代に「新卒一括採用」は終わる?大手企業が新卒を減らす理由とこれからの採用戦略
AI時代、新卒採用を減らす企業が増えています。 あれだけ新卒の高い給与などが注目されていましたが、日本でもAIによって代替される時代になってきたのかもしれません。
今後、AIの進化が新卒採用にどのような影響を与えているのか、そして企業はこれからどのような採用戦略をとるべきかについて考えてみたいと思います。
新卒採用を減らし、AIによる「省人化」へ
2026年現在、大手企業をはじめとして「新卒採用を減らす」という動きが統計データにもはっきりと表れるようになってきました。
その大きな理由のひとつが、「デジタル対応を通じた省人化」です。 これまで新卒社員(ジュニア層)が担当していたような業務やプログラミングの基礎的なコード作成などを、AIに任せることができるようになりました。その結果、人件費を削減し、代わりに即戦力となるキャリア採用(中途採用)を強化する企業が増加しているのです。
新卒採用「減らす」23% 5年ぶり「増やす」上回る|47NEWS(よんななニュース)
エントリーシート(ES)の形骸化と大手企業の決断
AIの普及は、就職活動のプロセスそのものも破壊しつつあります。 その代表例が「エントリーシート(ES)」です。
現在、多くの学生がChatGPTなどの生成AIを使ってエントリーシートを作成しています。さすがに、「生成AIを使ってはいけない」なんていう縛りをつけるのは難しいでしょう。その結果、企業側には「どれも似たような、当たり障りのない文章」ばかりが届くようになり、エントリーシートを使った選考が意味をなさなくなってしまいました。
こうした事態を受け、ロート製薬などの大手企業では、エントリーシート自体を廃止する決定を下しています。
(参考:エントリーシートによる書類選考を廃止し、対話を起点とした「Entry Meet採用」を導入 | ニュース | ロート製薬株式会社)
AI面接の限界と「AIはあくまでベター」という事実
エントリーシートの代わりに「AI面接」を導入する企業も出てきましたが、こちらにも課題があります。
AIによる合否判定は、米国では訴訟に発展するケースも起きており、学生側からも「不気味だ」と敬遠されています。あまりAIと面接をすることを良しとしない学生が多いため、エントリー数が減ってしまう可能性があります。
(参考:AIに落とされる…総合商社ら大手が続々導入「AI面接」、“お見送り”になる人の特徴 連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質|FinTech Journal)
そもそも、AIが出す答えや判断は「ベスト(100点)」ではありません。良くて60点〜70点程度の「ベター」なレベルです。採用という企業にとって重要な決断を、AIが正しく判断してくれるか?というと、かなり疑問です。
これからの人事に必要な「マーケティング思考」
「新卒一括採用(たくさんの人を一気に採用して、一律に育てる)」というシステムは明治時代から続いているシステムです。この仕組みはさすがに多様化する現代、そしてAI時代には合わなくなってきています。
そんな時代にどのような採用戦略を考えればいいのか。 ひとつのヒントになるのが、「マーケティング思考(マーケットイン)」と「デザイン思考(共感)」ではないかと考えています。
- 求める人物像(ペルソナ)を明確にする
- 「とにかく人が欲しい」ではなく、「こういうスキルと価値観を持った人が欲しい」というターゲットを絞り込みます
- ターゲットに共感する
- そのペルソナが「どのような働き方を求めているのか」「キャリアで何を目指しているのか」を考え、それに合った自社の魅力を発信します
AIに代替されない「自社に本当に必要な人材」を見極め、ピンポイントで採用します。このマーケティング的なアプローチこそが、これからの人事・採用担当者に求められるスキルになるのではないか?と考えています。
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