ChatGPTで見つけました」という問い合わせ。AIに紹介されるのは入口まで、選ばれるかどうかはサイトで決まる
最近、弊社への問い合わせで「ChatGPTで見つけて問い合わせました」という問い合わせが増えています。打ち合わせのときに、どうやって弊社を知ったのかを伺うと、そう答える方が続いたのです。
弊社のWebサイト分析を行うと、AIからのアクセスは検索と比べるとごくわずかです。それでも、なぜ相談につながったのでしょうか。そして、AIに紹介されたあと、お客様は何を見て依頼先を決めているのでしょうか。弊社の実際の事例をもとにお話しします。
ChatGPTで見つけたという相談が増えている
ここ最近、ChatGPTで弊社を見つけたという方から、次のような相談をいただきました。
- 歯科医院さん
- ChatGPTに「Google広告の設定ができる業者」と聞いて弊社を見つけた
- 美容製品を販売している方
- 大手のウェビナーで学んだものの、大企業向けで合わなかったため、ChatGPTで中小企業向けの会社を探した
- 新しい商品をどう販売促進すればよいか、相談したい方
という方々です。内容は、Google広告の設定や、新商品の販売促進の相談がほとんどでした。大企業ではなく、1人や2人でやっている事業者さんや、小さなクリニックが中心です。多くの方が、すでにAIを使って依頼先を探しているのだなと感じます。
AIからのアクセスは検索の120分の1しかない
では、弊社のサイトにAIからたくさんのアクセスが来ているのかというと、そうではありません。4月1日〜10月20日の日本からのアクセスを、Googleアナリティクスで比べると次のようになっていました。
- 検索(Google・Yahoo!など)…14,601回
- 生成AI(ChatGPTなど)…122回
AIからのアクセスは月に10〜20回ほどで、自然検索の120分の1しかありません。しかも、検索から来た方からは、依頼につながる相談はほとんどありませんでした。それにもかかわらず、相談はAIから来たのです。
AIには条件をつけて聞くから小さな会社も紹介される?
AIで依頼先を探す人は、おそらく次のように、かなり具体的な条件をつけて聞いているのだと思います。
- Google広告の設定ができる業者は?
- 中小企業向けのWebマーケティングの会社は?
- 個人でも相談できるところは?
AIは、こうした条件に合いそうな会社を探して答えます。弊社でも試しに聞いてみたところ、一度だけ弊社の名前が出てきました。ただ、その後は同じように出てくることはなく、たまたまだった部分もあるのだと思います。
そのときの答えには、私が知らないような小さな会社もたくさん紹介されていました。大手が1社、中小が2社くらいの組み合わせです。条件がはっきりしていれば、小さな会社でも紹介されるということです。
AIは1社だけを紹介するわけではない
ここで大事なのは、AIは1社だけをおすすめしているわけではない、という点です。弊社を紹介してくれたのは間違いないと思いますが、ほかの会社も一緒に紹介されているはずです。私が試したときは3社ほどでした。
AIが「この中ではここがおすすめです」と言ったとしても、相談する側は、紹介された会社を一通り見て比べると思います。AIがすすめたからそこに決める、というわけではないはずです。紹介された会社すべてに問い合わせている人もいるかもしれません。
つまり、AIに紹介されたあとには、必ず比較検討されます。Webサイトを見て、YouTubeやSNSを見て、「この人に頼もう」「この会社に頼もう」と決めているのです。
AI向けのテクニックだけではなく人が見て選べるサイトにする
AIに紹介されるために、Q&Aを入れましょうといったテクニックをよく聞きませんか?たしかに、AIはデザインではなく、文脈や言葉を中心に読んでいます。
では、AI向けの文章だけが並んだサイトにすればよいのでしょうか。
最後に比べて選ぶのは人間です。人間はデザインも含めて見ていますし、サイトだけでなくSNSやYouTubeも見ています。AIに紹介されたあと、人が見て「ここに頼もう」と思えるかどうかが重要になってきます。
比較されたときに選ばれるためにサイトに書いておく5つのこと
比較されたときに選ばれやすくするために、サイトに書いておきたいのは次の5つです。
- 誰向けか
- 大手は大手企業の事例を並べています。それを見れば、小さな会社は自分たちが対象ではないと分かります。
- 何ができるか
- メニューは具体的に書く
- いくらか
- 料金を隠している会社もありますが、書いておくことをおすすめします。安いところを探す人も、予算の範囲で選ぶ人もいるからです。
- どこまで頼めるか
- 地域密着のサービスであれば、遠方の人は頼めません。どこまで対応できるのかを書いておくのがよいでしょう
- どんな会社か
- 理念や考え方、どんな人がやっているのか。人となりが分かるようにしておくと選ばれやすくなります。
この中で一番大事なのが、5つ目の「どんな会社か」だと考えています。
実際、弊社を選んだ理由をお客様に伺うと、「信頼できそうだと思った」「大企業向けではなさそうだと思った」という答えでした。はっきりした理由ではありませんが、まさに「どんな会社か」「誰向けか」を見て決めていただいたのだと思います。
AIからの問い合わせはアクセス解析では分かりにくい
弊社WebサイトへのAIからの流入が少ないのは上記でご説明した通りです。ただ、その問い合わせがAIから来たのかどうかは、Googleアナリティクスを使っても見分けるのが難しいのではないでしょうか。
AIの画面にあるリンクを押して来た人は、AIからのアクセスとして数えられます。しかし、BtoBの相談や見積もりになると、相手は比較検討をします。AIで知ったあと、検索でも調べ、YouTubeやSNS、比較サイトでも調べるはずです。最終的にどこから来たのかは分かりません。
しかも、問い合わせを決めるのがその日とは限りません。社内の稟議があるかもしれませんし、昼休みを挟むかもしれません。日をまたげば、アクセス解析上は別の訪問になりDirectとして数えられてしまいます。
だからこそ、弊社では相談のときに「どこで知りましたか」と必ず聞くようにしました。
AIからの紹介は価格だけでは選ばれない
もう一つ感じているのは、AIで依頼先を探す人は、比較サイトで見積もりを取る人とは選び方が違うということです。
比較サイトでは、どうしても価格の安いところが選ばれがちです。一方、AIで探す人は、どんな人なのか、本当に自分の課題を解決してくれそうか、というところで選んでいるように感じます。
まとめ
- AIは条件をつけて探す人に会社を紹介する。アクセスは少なくても、依頼先を探している人が来る
- AIはほとんどの場合、複数社を紹介する。そこから比較されて選ばれる必要がある
- 誰向けか、何ができて、いくらか、どんな会社かをサイトに書いておこう
一方で、発注する側にとっては、AIに紹介された会社に頼めば必ずうまくいくわけではありません。広告の設定のように専門的な仕事は「できます」と言っていても、できる範囲や得意不得意は人それぞれです。
AIがあってもなくても、最後に必要になるのは、発注する側の目利きは必要だと思います。
この記事を書いた人

松本 孝行(株式会社キヨスル 代表取締役)
兵庫県伊丹市出身。2006年に立命館大学経営学部を卒業し、パソコンソフトの卸売会社、総合商社の子会社を経て、2008年に独立。2011年ごろから、SEO対策の文章制作をきっかけに、リスティング広告・アクセス解析・SNS広告を独学で身につけ、Web広告とマーケティングの支援を続けています。短期大学や職業訓練校で、Webサイト制作やECマーケティングの講師も10年以上担当してきました。
株式会社キヨスルは、大阪の「Web集客のセカンドオピニオン」です(Google Partner認定)。中小企業・個人事業主の方を中心に、広告の初期設定や設定の見直し(1媒体5万円〜)、広告アカウントの診断、集客顧問(月5万円〜)をお引き受けしています。料金は広告費の割合ではなく、お引き受けする範囲で決まる固定額です。オンラインで全国に対応しています。
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