昨今ラジオ・テレビの広告費が増加している理由
スマートフォンが生活必需品になった今、インターネットが最も大きなメディアになっています。ですがそんな中、実はテレビ・ラジオの広告が伸びているという事実があります。
急増するテレビ・ラジオの広告費
今日本の広告費は、全体で約7兆円と言われています。その中でもっとも多いのが、インターネット広告です。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4マス広告を合計しても、インターネット広告のほうが広告費が高いのです。ですが近年、テレビ・ラジオの広告費が急増しています。
電通が毎年公開している広告費の統計を見てみると、4マス広告は31.7%、インターネット広告は44.5%となっており、やはりインターネット広告がよく使われている事が分かります。しかしこのインターネット広告の内訳を見てみると、「4マス媒体由来の広告費」という項目があります。新聞デジタルと雑誌デジタルは頭打ちであまり伸びがありませんが、ラジオデジタルとテレビメディアデジタルは数字が伸びています。ラジオは前年22億円から28億円・127%に。テレビは358億円から447億円・124%に増えています。
2023年 日本の広告費 - News(ニュース) - 電通ウェブサイト
ここから分かる事が、今までテレビやラジオで活躍していた人達が、インターネットでも活躍し始めた事です。
テレビ・ラジオがデジタルで伸びる理由
ではテレビ・ラジオがデジタルで伸びる理由はなんなのでしょうか?
答えは簡単で、まずはテレビ・ラジオで培った良質なコンテンツです。Netflixなど、サブスクコンテンツを利用する人が増えた事で、テレビ・ラジオでウケた内容をデジタルに持っていきやすくなりました。昔のサブスクでは映画がメインだった中、近年ではドラマやバラエティーも当たり前になりました。テレビ業界で活躍していた人がやってきた影響は大きいでしょう。高い企画力・制作力はテレビ・ラジオ業界の大きな強みです。
そしてもう1つが、今の生活スタイルに合わせた配信です。働き方改革などがあっても、すべての人が9時〜17時で働いている訳ではありません。夜間に働く人や、フリーランスで年中無休で働く人もいます。つまり、「○時にテレビの前に座って番組を見る」事がむずかしい時代です。なので、レベルの高いコンテンツを好きな時間に見られる見逃し配信はもちろん、今までは特定の地域でしか見られなかった地方局の番組を、地域を越えた配信で見られるようにした事で、新しいユーザーを獲得できるようになりました。
今後伸びる2つの広告
今後もTverやNetflixなどの広告は伸びていくと予想されています。そもそも広告費用がなぜ伸びるのかと言うと、そこに人がたくさんいるからです。ユーザーの多い所には、広告がどんどん集まります。4マス広告よりもインターネット広告の方が多いのは、それだけインターネットに人がいるからです。
しかし、それでもテレビやラジオの広告は300~400億円です。対してインターネット広告は2~3兆円と言われています。そしてそのほとんどが、検索広告・そしてバナーなどのディスプレイ広告です。
ですが、そのどちらでもない広告が2つ、今後伸びてくるのではないかと言われています。それが、動画広告とECモール広告です。4マス広告よりも伸びると言われていますので、マーケティングを考えている企業はしっかりとチェックしておく事をおすすめします。