TVCMは取り下げても、広告主の業績はさほど変わらない理由とは

フジテレビの騒動はかなり長引いており、誰もここまで長引くとは思っていなかったのではないでしょうか。SNS上では様々な意見が交わされていますが、その中に「テレビCMの効果がないことがバレる」と言う人が多くいます。

フジテレビのテレビCMを取りやめる企業が相次いでいますが、テレビCMを取りやめても業績が変わらないというわけです。確かにその通りですが、なぜ業績が変わらないと断言できるのでしょうか?

プロモーション施策の順番

現代のマーケティングでは施策を行うには順番があるとされています。ターゲットの順番、そしてそのターゲットに合った施策があり、順番に施策を実行することで、成果が出やすいとされています。

狙うべきターゲットの順番、そして行うべき施策の順番はは下記の通りです。

ターゲット

  1. 顕在顧客
  2. 準顕在顧客
  3. 潜在顧客

施策

  1. 刈り取り型広告
  2. 比較検討型広告(+1)
  3. 認知獲得型広告(+2)

基本的に顕在顧客、つまりすでにニーズを持っていて表面的に表しているユーザーから狙います。例えば「車を買ったからより良い保険を探している」「新築の家を代々の土地で立てたいので、工務店を探している」のように、すでに明確なニーズを持ち、受注に近いユーザーを狙うのです。これはBtoC・BtoBかかわらず考え方は同じです。

その後に「ほしいけどまだ検討段階」の準顕在顧客を次に狙います。そして最後は「今はニーズがなく会社名や商品名も知らない」潜在顧客を狙います。この順番でターゲットを狙うのは、受注までのコストや時間が短いためです。全く何も知らない人に購入してもらうより、ほしい意欲がある人に購入してもらうほうが圧倒的にハードルは低いのです。

施策についても最初に行うべきなのは顕在顧客から受注を偉詩女の刈り取り型広告です。次に準顕在層の比較検討型広告を、そして認知獲得型広告は潜在顧客に対して行います。

TVCMの役割は認知獲得と記憶定着

では、ここで話題になってるTVCMはどこにあたるか?なのですが、これは認知獲得型広告に当たります。知ってもらうこと、覚えてもらうことを目的としているのが、TVCMです。一般的に業績に影響を与える即効性のある施策は刈り取り型広告です。認知獲得型広告を取りやめたとしても、すぐに業績に響くことはありません(みんなまだ覚えているし、大手企業の名前は忘れないため)。

さらに言えば、フジテレビのCM取りやめはしていても、他のテレビ局ではCMを流し続けているかと思います。そうなれば、1局のテレビCMをやめただけでは業績に大きく響くということはないでしょう。

認知獲得型広告は世の中にたくさんある

認知獲得型広告はテレビCM以外にもたくさんあります。

例えば東京ではよく見る該当ビジョン、あれも認知獲得型広告です。大きな駅の中にあるサイネージで広告を流していますが、これもそうです。新聞や雑誌などの広告も認知獲得型広告が多いですし、最近ではタクシー広告などもあります。タクシー広告もまた、認知獲得型広告です。

東京の大きなビルにはプロジェクターでエレベーターのドアに映像を流すような広告もあります。これもまた、認知獲得型広告になります。

昔はあまり広告媒体もありませんでしたが、今はオンライン・オフラインかかわらずたくさんの媒体があります。加えて、認知獲得型の広告はその中でも多く存在します。テレビCMを一つやめたところで、大きな影響などは起こり得ないと考えるのが自然でしょう。

まとめ

  1. TVCM取りやめに関し「CM効果」にスポットが当たる
  2. TVCMは「潜在顧客」にアプローチする「認知獲得広告」
  3. TVCM以外にも様々な広告媒体があるため、CM取りやめで業績が落ちるとは考えづらい
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