ベンチャー企業と中小企業のプロモーション施策は「狙い」が違う

ベンチャー企業と中小企業は規模感が似ていることもあり、混同されがちです。同じような行動様式で、同じような考え方をしていると思われている人も少なくないかと思います。

実際にはベンチャー企業と中小企業はかなり考え方や行動が違います。それは広告・プロモーション・マーケティングでも違いがあります。

ベンチャー企業と中小企業の広告宣伝活動における違いとは

従業員数や売上等の規模感も似ているため、混同されがちな両者ですが、実際は全く異なります。

広告の目的について

一般的に広告の目的は、売上を上げる・伸ばしていく、リピートを増やすこと等が挙げられます。

中小企業では今ある商品・サービス、もしくは新商品を販売して、利益を出すことを目的としています。例えば、年間1億円の売上があっても、広告宣伝費や仕入、人件費等の諸費用の合計が1億円だと利益は0円です。この場合、利益を出すことを重要視しているため、キャッシュインがない広告を中小企業は嫌います。

それに対し、ベンチャー企業は、今ある商品・サービスのシェアを伸ばすことが目的です。いわゆる「市場占有率」を伸ばすことを重要視し、必ずしも利益を出す必要はないと考える場合が多くあります。場合によっては、赤字でもシェアが伸びるのであればOKと考えます。

これが中小企業・ベンチャー企業における、広告宣伝の考え方の違いといえるでしょう。

ベンチャー企業がシェアを重視する理由

しかし、そもそもなぜベンチャー企業は、広告による利益が出なくてもよいと考えているのでしょうか。

例えば、ベンチャー企業が多く使う手法として無料で使えるアプリがあります。始めは無料で提供し、ある程度シェアを伸ばしてから有料にしたり、有料にすると多くの機能が使えるパターンはよく見聞きするかと思います。この方法は、広告費はかかるし利益も少ない手法です。そんな手法でも、ベンチャー企業・スタートアップ企業はシェアを拡大したいわけです。

どうしてベンチャー企業はそこまでシェアを拡大したいのでしょうか?

ベンチャー企業はベンチャーキャピタル等、投資家が多額の資金を注ぎ込んでいます。彼等は投資した金額の数十倍~数百倍のリターンを得ることを目的としています。逆に利益が出ても、小さい利益では満足しません。そのため、ベンチャー企業はシェア・売り上げ規模を大きくし、投資家のためにも利益の絶対額を大きくする必要があるのです。これが、利益よりもシェア拡大重視の行動様式につながります。

一方で、中小企業は、投資家にリターンを渡す必要がありません。少しでも利益を増やす方が重要です。シェアを拡大するために赤字を出すよりも、コツコツと利益を積み重ねるほうが重要なのです。

営業の方法も変えないといけない

ベンチャー・中小企業は同じような従業員や売上規模でも、違いがあることはご説明した通りです。年間予算も違えば、販促活動のゴールも異なります。そのため、営業を仕掛ける側もそれぞれの特徴に合わせた提案や営業を考えないといけません。

ベンチャー企業の特徴

  • 売上が低くても、VCからの投資で資金が潤沢な場合もある
  • シェア獲得が目的のため、広告費の予算が大きくなる場合がある
  • 認知獲得・ブランディングのために、タクシー広告等、高額な広告にも前向きな場合が多い

中小企業の特徴

・銀行融資や自己資金が資金の中心で、キャッシュはそこまで多くはない。月間売上の3~6倍くらい程度の資金力

・シェアを取るより、利益(キャッシュイン)を重視するので、認知・ブランディング等の施策は後ろ向きなところが多い

ベンチャー企業へは、シェアの拡大(リーチ数がどれくらいあるか、見込み顧客がどれくらいか)、リードの大量獲得(展示会等)につながる提案が重要と考えられます。

中小企業は、「認知度が上がっても買ってもらえなかったら意味がない」と考えている方が多くいます。そのため、受注数増加や費用対効果、受注率が改善するなどの提示し、営業すると興味関心を持たれるでしょう。

まとめ

  1.  中小企業とベンチャー企業は全く違う
  2.  ベンチャーはシェア重視、中小企業は利益重視
  3.  営業のやり方も企業によって変えるべし

この記事を書いた人

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松本 孝行(株式会社キヨスル 代表取締役)

兵庫県伊丹市出身。2006年に立命館大学経営学部を卒業し、パソコンソフトの卸売会社、総合商社の子会社を経て、2008年に独立。2011年ごろから、SEO対策の文章制作をきっかけに、リスティング広告・アクセス解析・SNS広告を独学で身につけ、Web広告とマーケティングの支援を続けています。短期大学や職業訓練校で、Webサイト制作やECマーケティングの講師も10年以上担当してきました。

株式会社キヨスルは、大阪の「Web集客のセカンドオピニオン」です(Google Partner認定)。中小企業・個人事業主の方を中心に、広告の初期設定や設定の見直し(1媒体5万円〜)、広告アカウントの診断、集客顧問(月5万円〜)をお引き受けしています。料金は広告費の割合ではなく、お引き受けする範囲で決まる固定額です。オンラインで全国に対応しています。

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