パルス消費とバタフライサーキットを前提としたプロモーション方法
セミナーなどを行っている際に、「パルス消費」「バタフライサーキット」という言葉をご紹介しています。2019年のGoogleの調査で新たに発覚した、消費者の行動に関するモノです。現代の消費行動に関する事ですので、マーケターの方は是非チェックしておきましょう。
(参考:パルス消費につながる情報探索とは? バタフライ・サーキットと 8 つの動機)
パルス消費、バタフライサーキットとは?
パルス消費とバタフライサーキットとは、2019年にGoogleの調査で発覚した、日本人の消費行動の変化です。丁度コロナ渦の前年に当たりますので、コロナ渦よりも前から変化が起きていた事が分かります。
この調査では、従来の日本人の消費行動(AIDMA・AISAS、認知⇒検索⇒購入)の流れが通じない人が増加している事が分かりました。急に購入や予約につながる行動を、パルス消費と言います。そしてこのパルス消費は、バタフライサーキットが大きく関わっていると言われています。
(参考:買いたくなるを引き出すために:パルス消費を捉えるヒント(1))
バタフライサーキットは、ある1つの事柄に対して人は「探る」と「固める」を繰り返しているというものです。例えば旅行に行きたいと思った時、人は旅行サイトやSNS、旅行雑誌などを見て何度も考えます。そしてある瞬間に目的地を決めたり、旅行を取り止めたりと決断をします。旅行サイトやSNSで情報を調べるのが「探る」、旅行の予約をしたり辞めると決断するのが「固める」です。
(参考:「さぐる」「かためる」を蝶のように行き来するバタフライ・サーキットとはなにか:バタフライ・サーキットと 8 つの動機)
ただ、現代は情報過多社会です。SNSを始めとして、交通広告や街頭広告、呼び込みやテレビなど、目が覚めてから寝るまで、情報に触れていない時間がありません。常に何かしらの情報に触れています。ですので、いつどこでどのような情報に触れているのかが不明になっています。触れたコンテンツが、認知を促すものなのか、購入を促すものなのか、細かな調査ができません。つまり情報提供側が、顧客をコントロールできない時代と言えます。
これが従来の消費行動が通じない、パルス消費が増えたと考えられる背景です。
企業側ができる事は「色んな所で顧客と接点を持てるようにする」事
ではモノを売る企業側はどうすれば良いのでしょうか?これは「色んな所で顧客と接点を持てるようにする」の1つしか答えはありません。
これの分かりやすい例が、東京のベンチャー企業です。XやInstagramなど、様々なSNSの企業公式アカウントを作り、顧客とどこでも接点を持てるように準備しています。これはコストがかからない形であれば、やっておいた方が良い施策でしょう。
そしてこのようにどこでも接点が持てるようにする理由が、「購入まで1本道ではない」というパルス消費の考え方です。先述のように顧客の行動は変化していますので、この考え方は大前提として持っておきましょう。更に接点はオンラインはもちろん、オフラインでも持っているのが現代です。企業マーケターとしては、交流会やイベントなどへの参加が重要です。
また、接点を持っても顧客をコントロールしようとしない事が重要です。最近は特にLPで顕著ですが、企業側の作った道筋通りに購入や問い合わせにつなげる事が難しくなっています。LPで購入してほしい・問い合わせをしてほしいというのは、あくまでも企業側の理論で、顧客には関係がありません。LINEで契約したい人もいれば、InstagramのDMで予約したい人もいます。
なので、企業が顧客をコントロールするのではなく、顧客に合わせていつでも動けるように準備しておく事が重要です。