Web広告の運用代行、手数料20%は高い?相場より大事な「判断基準」の話

Web広告の運用代行手数料の相場は広告費の20%と言われています。GoogleにしてもYahoo!にしても、Metaにしても、おおむねこの水準です。

では、この手数料率20%は高いのでしょうか、安いのでしょうか。今回はこの問いを入り口に、運用代行を評価するときの本当の判断基準について解説します。

まず、手数料の相場を整理しましょう

一般的な相場は広告費の20%です。ただし月間の広告費が大きくなると、割引が適用されることが多くなります。

参考までに、弊社(株式会社キヨスル)の場合は以下のように設定しています。

月間の広告費手数料率
〜100万円20%
100万〜200万円18%
200万〜300万円15%
300万〜500万円12%
500万円〜10%

とはいえ実際には、数十万円の広告費で運用されるケースが多いため、20%が適用される場面がほとんどです。

また、多くの代理店には最低手数料が設定されています。相場は月3〜5万円程度です。月1〜2万円の広告費でご依頼いただいた場合、20%だと手数料が2,000円〜4,000円にしかならず、それでは受けられないためです。

料金体系としては、この料率型のほかに固定報酬型や成果報酬型もあります。弊社は成果報酬型は行っていませんが、アフィリエイトのような形で対応している会社もあります。

20%は高いのか、安いのか

結論から言えば、広告運用における手数料率20%は高い時もあるし、安い時もあると言えるでしょう。

理由は明確で、得られた成果によって高いとも言えるしやすいとも言えるからです。もし得られた成果がゼロなら、20%は当然高いということになります。

チラシと同じ考え方です。ポスティングを1,000枚配ったのにまったく反応がなければ、「ポスティングは高かった」という話になります。それと構造は変わりません。

同じ「20%」でも、意味は正反対になる

具体的に考えてみましょう。

ケースA

広告費100万円、手数料20万円。合計120万円を投じて、売上は10万円増えた。

これを成功と呼べるでしょうか。毎月10万円ずつ積み上がっていくのであれば複利的な効果はありますが、単月で見れば成功とは言いづらいはずです。

ケースB

広告費50万円、手数料10万円。合計60万円の広告費で売上は100万円増えた。

こちらは悪くない結果と言えるでしょう。

率はどちらも同じ20%です。しかし売上の増え方はまったく違います。100万円払って売上が10万円しか増えなければ「手数料20万円も取るのか」と感じるでしょうし、売上が100万円上がっていれば「20%でも元が取れたな」と思えるはずです。

見るべきは、事業の数字が増えたかどうか

ですから、20%という料率そのものが高いか安いかを議論しても意味がありません。見るべきは、事業の数字が増えているかどうかです。

逆に言えば、たとえ相場より安い手数料率(10%等)で請け負っている会社であっても、事業の数字が増えていないのであれば、それは「高い」ということになります。他社より料率は低くても、成果が出ていなければ高いのです。

ちなみに弊社株式会社キヨスルでは、ROAS300%以上を成功基準としています。つまり広告費の3倍の売上を出すことを目安にしており、おおむね達成できているかと思います。月15万円ほどの広告費で運用している企業様であれば、売上は60万円程度。良い時には90万円まで伸びることもあり、このクライアント様はたいへんうまく言っていると言えます。

手数料は「生み出した価値」から考える

月商が100万円から130万円になったのであれば、30万円の価値を生み出せていると考えられます。弊社では、この上がった価値の中から手数料をいただく、という考え方をしています。

広告費に対する率ではなく、生み出した価値を基準に考えます。もちろん最低手数料は設定していますし、「うまくいかなかったら報酬はゼロ」というわけにもいきません。ただ気持ちの持ち方としては、事業の価値をどれだけ上げられるかを基準に置いています。

おそらく同じ考え方の会社も多いはずです。

事例:食品ECの企業様

成功事例ばかり挙げると自慢のようになってしまいますし、失敗も数多くありますが、ひとつ事例をご紹介します。

依頼前は、自社で広告を運用されていた企業様です。Googleのサポートを受けながら、自社で運用を行っていました。

Google広告の運用を弊社に切り替えていただき、アカウントの構造、キャンペーン、オーディエンス、キーワードなどを見直しました。切り替わった最初の半年ほどは、大きな変化はありませんでした

変化が出始めたのは半年以降です。以降は右肩上がりとなり、直近3年間は毎年20〜30%の売上成長が続いています。昨年には過去最高の月商を記録するまでになりました。

もちろん、弊社の広告運用だけで実現できたわけではありません。メルマガの配信、SNSの運用、YouTubeショートの活用など、お客様側にも多くのことに取り組んでいただきました。その進め方についてもアドバイスをしながら進めた結果です。

この事例で重要なのは、最初の1年を待っていただけたという点です。半年で判断されていたら、この成長はありませんでした。

業種によって「事業の数字」は変わる

ECサイトであれば、売上、利益率、リピート率などが事業の指標になります。RFM分析でどれだけリピートされているかを見てもよいでしょう。基本は売上と利益が基本的な事業の数字になります。

一方、弊社が担当している私立小学校であれば、受験者数や入学者数が事業の数字になります。駐車場であれば、満車率や時間帯ごとの稼働状況、どれだけ長く停めてもらえているかという点が指標です。

Web広告の運用者は、この「事業の数字」を見ておくべきだと考えています。自分が何にコミットしているのか、何のために広告を運用しているのかを理解するうえで、非常に重要だからです。

判断基準は「売上や利益の話が出ているか」

「この代理店は良い業者なのか?」判断はどこで行えば良いのでしょうか?代理店や運用代行会社が良いかどうかは、打ち合わせで売上や利益の話が出ているかどうかで判断してみてください。

よくあるのが、クリック数、クリック率、コンバージョン数、コンバージョン率、CPAといった話だけで終わってしまうパターンです。しかし正直なところ、これらはいくらでも操作できる数字です。

  • コンバージョン数は、達成しやすいものをコンバージョンに設定すれば増える
  • クリック率は、クリック数の最大化を狙えば上がる
  • CPAは、コンバージョンのハードルを下げれば安くなる

これらを操作しても意味がありません。重要なのは、売上や利益に繋がっているかどうかです。

私たちは広告運用に対して費用をいただいており、それはお客様にとって投資です。そこから売上が上がるという話なのですから、売上・利益といった事業の数字をマーケターは見るべきではないでしょうか。

まとめ

  • Web広告の運用代行、手数料の相場は広告費の20%。最低手数料は月3〜5万円程度
  • 20%が高いか安いかは、得られた成果によって決まる
  • 同じ20%でも、売上が10万円増えるのと100万円増えるのとでは意味が正反対
  • 相場より安い10%でも、事業の数字が増えていなければ「高い」
  • 成果が出るまでに時間がかかることもある。短期で判断しない
  • 打ち合わせで売上や利益の話が出ているかどうかを、判断基準にする

手数料率そのものは、正直なところそこまで重要ではありません。さすがに広告費の50%を取るような場合は考えものですが、20%前後の相場であれば問題ないと考えています。重要なのは、自分たちの事業の数字がどう増えたかです。事業の数字が話題に出るのであれば、良い代行業者・代理店だと思います。逆にその話が出てこないのであれば、私としてはおすすめしづらいというのが正直なところです。

なお、これはあくまで株式会社キヨスルの考え方です。違う考えをお持ちの会社もあると思いますので、ひとつの参考にしていただければ幸いです。

投稿者プロフィール

松本 孝行
松本 孝行代表取締役
兵庫県伊丹市出身

2006年、立命館大学経営学部卒業後、パソコンソフトの卸売会社、総合商社子会社に就職し、2008年に独立。

2011年頃からSEO対策・アフィリエイト用の文章制作から、独学でリスティング広告やアクセス解析、SNS広告などを学び、サービスを展開。

短期大学の情報処理講師や職業訓練校のWebサイト制作クラス・ECマーケティングクラスなどで講師を担当。

現在は株式会社キヨスル代表取締役として、Webマーケティングをデザインすることでクライアントのビジネスに貢献する。