AEO対策とは?AI検索対策が「意味がない」と考える理由

「AEO対策」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか?生成AIが広く使われるようになってから、SEOの分野でも、私たちのような広告の分野でも、マーケティングの周りでは「AIに対する対策をしましょう」という話がとても多くなったように思います。

今回は、このAEO対策とは何かを整理したうえで、実際のデータをもとに、本当に必要なのかを考えてみます。

AEO対策とは何か

AEO対策とは、生成AIの回答の中で、引用元として採用されることを目指す施策です。

SEO対策の場合は、検索結果で上位に表示されることが主な目標でした。AEO対策の場合は、AIの回答の中で自分のページが引用されることが目標になります。

背景にあるのは、AIが何でも答えてくれるようになったことで、Webページまで見に行かない人が増えているという変化です。そこでAIに引用されることで、自社のページへの流入を増やそう、という考え方です。

具体的な方法としてよく言われるのが、FAQ(よくある質問)の整備です。質問と答えがはっきりした構造でページを作ると、引用されやすいと言われています。

AEO・GEO・LLMO・AIOの違い

AEO以外にも、似たような言葉がいくつもあります。

  • AEO:質問への直接回答として採用されることを目指す
  • GEO:生成AIへの引用全般を目指す
  • LLMO:言語モデル(LLM)向けの最適化
  • AIO:GoogleのAI Overview(AIによる概要)向けの最適化

ただ、どれも基本的にやっていることは同じです。ChatGPTで引用される、Geminiで引用される、Claudeで引用されることを目的としています。つまり「AIに引用されること」を目標にしている点はどの言葉も一緒です。

まだ正式な言葉が固まっておらず、今後どれが定着するかも分かりません。これだけたくさんの言葉が出てくるということは、言葉自体がそのうちなくなる可能性もあります。

(参考:AIO・GEO・LLMOの違いとは?SEO・AEOとの関係も比較表で整理【2026年】)

「AIの対策をすべきだ」と言われている理由

AEO対策が必要だと言われる理由は、単純に生成AIの利用が増えているからです。

  • AI検索の利用率は、ある地点から8か月で3.5倍に増加
  • Google検索の60%以上のクエリで、AI Overviewが表示されている
  • 製品の推奨をAIに頼る消費者は58%も

私自身も、中古車を調べるときなどにAIに聞くことがあります。「ここを見ておいた方がいい」と、自分が見落としていた点を教えてくれたりもします。

日本の生成AIの利用率は世界と比べるとまだ低いものの、それでも利用する人はどんどん増えています。だからこそ、生成AIに引用されるための対策をしなければいけない、という話になっているわけです。

(参考:マケスク【2026年最新】GEO・LLMO・AIO・AEOの違いとは?)

引用されても、クリックはほとんどされない

ところが、もし自社のサイトがAIの答えとして引用されたとしても、ほとんどクリックはされないという現実があります。

皆さんご自身の行動を思い出してみてください。AI Overviewに表示された引用元を、どれだけクリックしたでしょうか。ほとんどしていないのではないかと思います。ChatGPTに聞いても、結論を言ってくれるので「なるほど」と納得して、そのまま閉じるか、別の話題に移る人が多いはずです。

実際に調査の数字もそれを裏付けています。

  • AI要約の中のリンクがクリックされる確率は、わずか1%
  • AI要約がない場合、検索結果のリンクのクリック率は15%。AI要約がある場合は8%まで下がる

つまり、AI要約を見て「それでいい」と離脱してしまう人が増えているということです。AIの普及でWebサイトへのアクセスが減っている、とよく言われますが、それが数字としてはっきり出てきています。

(参考:Pew Research Center 2025年3月・米国成人900人調査/Ledge.ai)

検索順位が上がっても、クリックは減っている

検索順位で1位を取っても、状況は同じです。

  • 検索1位のクリック率(CTR)は62.7%減。1位でもCTRは9%
  • 日本市場でも、オーガニッククリックは約38%減

SEO対策で上位に表示できても、なかなかクリックしてもらえません。だったらAI対策をしよう、という気持ちはよく分かります。

(参考:Ahrefs/Ahrefs 日本市場調査(PR TIMES))

弊社サイトの実データ:生成AI経由は0.7%

では、実際にAIからのアクセスはどのくらいあるのでしょうか。弊社サイト(kiyosuru.co.jp)のGA4データを見てみます。

流入元割合
Google62.9%
Yahoo!15.3%
Bing4.7%
生成AI(ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexityなどの合計)0.7%

(2026年3月1日〜9月6日・全16,464セッション)

生成AI経由のアクセスはあるにはありますが、全体の0.7%(116セッション)でした。Bingだけでも、その6.7倍あります。Yahoo!と比べても、まったく及びません。

検索エンジンから来てくれる人たちと比べると、本当に微々たる数字です。この0.7%のために、必死になって対策すべきなのかということです。

ただし、質の良いアクセスもある

一方で、AIからやってくるユーザーの中には、濃いユーザーもいます。

弊社の場合、ChatGPT経由のユーザーは平均滞在時間が長く、閲覧するページ数も多い傾向がありました。Google経由の平均滞在が約98秒だったのに対し、ChatGPT経由は約313秒でした。AIの種類によっても違うのかもしれません。

ただし、ChatGPT経由は67セッションと母数がとても少ないため、はっきりしたことは言えないレベルだということは、前提条件としておいてください。

生成AIに合わせてコンテンツを作る必要はない

はっきり言えるのは、そもそもAIからのアクセス数は少ないということです。

これだけアクセスが少ないのに、コンテンツをAIに合わせて作りましょう、AIに引用されるようにしましょうと言っても、労力に見合わないことが多いのではないかと思います。

ですから、AEOやAIO、GEOといったものを、そこまで意識してコンテンツを作る必要はないと弊社では考えています。SEOの専門家の中にも同じ考えを示している方がいますが、私自身は、弊社のデータを見てもそう思います。これだけ少ないのに、あえて対策する理由があるのでしょうか?

やるべきことは、王道のSEOと変わらない

では何をすればいいのか。AI時代であっても、やることは基本的に同じです。王道のSEO対策と同じで、ユーザーに役立つコンテンツを作ることです。これしかありません。

AIが参照しているのも、結局は中身の良いコンテンツです。どれだけFAQをきっちり作っても、それがAIを使って作ったようなありきたりな内容であれば、基本的には引用されません。そして引用されたとしても、弊社のように流入はそれほど増えません。目標としては弱く、労力にも見合わないのではないでしょうか。

「AI対策をしましょう」「AEO対策をしましょう」と勧めてくる企業もたくさんありますが、そうした小手先の施策に投資する必要はないと思っています。

それだけの予算があるなら、広告を出した方がいいでしょうし、ユーザーの役に立つコンテンツを作る方にお金を使った方が良いと思います。労力を使うのであれば、やはり役に立つコンテンツ作りがメインです。AIに向けたコンテンツではなく、ユーザーに向けたコンテンツを作ることの方が、ずっと重要ではないでしょうか。

まとめ

  • AEOやAIO、LLMO・GEOなどたくさんあるがやろうとすることは同じ
  • 生成AIに引用されても、ほとんどアクセスされない
  • 王道であるユーザに役立つコンテンツを作るのが基本

AEOやAIOなど、いろいろな言葉が話題になっていますが、その話題に乗っていくのが正しいのでしょうか。

TikTokが流行り始めたころも、「1億回再生」といった話がたくさん出ていました。ですが、それがマーケティング的に大きく役立ったという話は、ほとんど聞きません。TikTokショップにしても、大企業が取り組んでも思うように売れなかったケースがありました。流行の施策はまだまだ未知の部分が多いのではないかと思います。

ですから、特に中小企業であれば、あまり流行りに流されない方がいいと思います。王道を歩くのが一番いいと弊社では考えています。

この記事を書いた人

松本孝行の写真

松本 孝行(株式会社キヨスル 代表取締役)

兵庫県伊丹市出身。2006年に立命館大学経営学部を卒業し、パソコンソフトの卸売会社、総合商社の子会社を経て、2008年に独立。2011年ごろから、SEO対策の文章制作をきっかけに、リスティング広告・アクセス解析・SNS広告を独学で身につけ、Web広告とマーケティングの支援を続けています。短期大学や職業訓練校で、Webサイト制作やECマーケティングの講師も10年以上担当してきました。

株式会社キヨスルは、大阪の「Web集客のセカンドオピニオン」です(Google Partner認定)。中小企業・個人事業主の方を中心に、広告の初期設定や設定の見直し(1媒体5万円〜)、広告アカウントの診断、集客顧問(月5万円〜)をお引き受けしています。料金は広告費の割合ではなく、お引き受けする範囲で決まる固定額です。オンラインで全国に対応しています。

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